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春の真夜中
夜中に目が覚めて水を飲みにキッチンへ行く。その時私は明かりをつけない事にしている。出窓から差し込む蛍光灯と少しの風と季節の匂い。今は5月の半だから涼しくふんわりと春の風がまだ残っていて気持ちがいい。虫の声なんかも聞こえ始めるけれど煩くなくて目を閉じてみたりする。緑の匂いもするし、今日の昨日のカレーの匂いもする。そんな真夜中のキッチンが好きだ。明かりをつけるなんて勿体ない。夜のまま、夜でいて、夜がいい。朝になるまであと少し明るくなる前に寝ようと思う。
春の真夜中 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1405.7
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 8
作成日時 2021-05-12
コメント日時 2021-05-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 8 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「私もこの通りにしそうだし(気分によっては朝焼けまで待つかもですが)、詩の主人公の気持ちがわかる気がする」という理由で、つまりすごく主観的評価なのですが、グッとくる詩でした。 ただ、詩のバランスとしても内容や出来事の記述に過不足があまりない気がするというか、心地よい気がします。そして、うん、わかるなあというところに、 > 明かりをつけるなんて勿体ない。夜のまま、夜でいて、夜がいい。朝になるまであと少し明るくなる前に寝ようと思う。 そうだね、その前に寝てしまいましょう、と同意したくなるようなラストシーンが来てくれる。そんな詩でした。詩の評価のあり方はいろいろあるべきだと思うのですが、これは直球で「実感的にわかるなあ」という感じの詩で、私には心地よかったです。 > 今日の昨日のカレーの匂いもする。 ここが私的に、なんとなくこじんまりとしたユーモアがある一文に感じて、ふわっと良かったです。生活感や嗅覚のポエジーの妙なのかもしれません。
1夜型人間で夜好きな者ですが。 情景がすとんと入りました。 どの場面も日常感があり、それらを羅列する事で引き込まれます。 真夜中のキッチンで嗅ぐ夕飯の残りのカレーのにおいとか、誰にでも経験があるのではないかと。 夜の一場面、伝わりました。
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