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アリクイがクマに言った
アリクイがクマに言った なんだ君アリが食べられないのか つまらんね 世の中そういうヤツばかりで困る 本物というのは いつだってアリを食べているものなのだよ 才能のない連中が 葡萄だの蜂蜜だのに うつつを抜かす まあそれが悪いことってわけでもないんだが 僕に言わせればそんなのは実にくだらない趣味だね 教養というのはアリを食うことをいうのだよ 反骨というのはアリを食うことをいうのだよ 魂のある食事には 必ずアリがふくまれているものだよ アリがふくまれていないだけで 軽薄な食事に思えてしまうね ああ、もちろん誰かを批判したいわけじゃない 僕だってまだまだ未熟なのだからね ただ、そんな未熟な僕でさえ アリこそが本質的だということはわかるのだよ アリを食べてない連中なんか たとえ森がみとめたとしても 僕は認めやしないよ クマは笑ってアリクイのもとを去った やがてアリクイが 誰にも愛されずに死んだとき 彼の葬式には誰も来なかった 彼は他のアリクイたちを愛していたが そのアリクイたちですら 彼の葬式には来なかった
アリクイがクマに言った ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1581.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 8
作成日時 2021-05-05
コメント日時 2021-05-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 8 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ペーソスを含んだ詩で、最後の連が落ちと言う訳でもないでしょうが、因果を含める様な言い方がうるさくない詩だと思いました。アリクイとはナマケモノの事でそこらへんのところも詩に影響したのかもしれません。それにしてもアリクイの弁は結構説得力が有ると思ったのに最終連のようなオチがあるとは。
1コメントありがとうございます。 寓話をどころかほとんど訓話みたいな話なので、身につまされる気分になっていただけたなら幸いです。
0コメントありがとうございます。 アリクイの弁に説得力がある、というのは新鮮な読みでした。なるほど、いまだにこうした言い回しには一定の説得力があるのかもしれませんね。
0コメントありがとうございます。
0これ、村上春樹主義者にはたまらないですよ。寓話なところ。くもざるみたいでマテリアルが素敵です。
1コメントありがとうございます。 フェイク&リアルな世界観がいいのかもしれませんね。
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