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弐匹の詩
Ⅰ 蛙 僕は蛙が好きだ 小さな体を持ち 素晴らしい足を持ち ぴょこぴょこと飛びながら 声を出す時はあの小さな体から 大きく大きくげこげこと声をあげ 真っ直ぐに目を少し上へ向け けれどどこか落ち着いた目で野山を眺め 鮮やかな緑や、深い土の色 毒々しい色の水玉模様や サイケデリックな色彩 多種多様な色を体に称へ 今日もげこげこ、ぴょこぴょこ生きている そんな蛙が、僕は好きだ Ⅱ 蚯蚓 僕は蚯蚓が嫌いだ 太麺のような体をくねくねと躍らせ じめじめと雨の降る日には元気よく あのぬめぬめとしたピンク色の体を てらてらさせている 日がでるといそいそと日陰に戻ろうと試み いくらかは干からびてしまう なんとか辿り着いた奴らも 人間やらに踏みつぶされないよう これまたいそいそ動いていく 僕の嫌いな蚯蚓は か弱く けれど精一杯に 今日もくねくね生きている Ⅲ そして… 僕は蛙が好きだ 僕は蚯蚓が嫌いだ 僕は蟻が好きだ 僕は蛞蝓が嫌いだ 僕は猫が好きだ 僕は犬も好きだ 僕は人が好きだ 僕は人が嫌いだ 僕はどうだろうか 僕も僕の好きな彼らや 僕の嫌いな彼らの様に 今日を精一杯生きていきたい
弐匹の詩 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1184.1
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 39
作成日時 2021-05-01
コメント日時 2021-05-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 8 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 13 | 1 |
エンタメ | 7 | 0 |
技巧 | 6 | 1 |
音韻 | 2 | 0 |
構成 | 3 | 1 |
総合ポイント | 39 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 6.5 | 6.5 |
エンタメ | 3.5 | 3.5 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1.5 | 1.5 |
総合 | 19.5 | 19.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
コメントありがとうございます。お褒め頂嬉しいです。 これを書いたころ動物の詩を多く読んでおり、そこから着想を得ました。生き物の生きる様子や、それを見つめる姿が伝わったようで有難い限りですm(_ _"m)
0弌ではなく弐なんですね。弐のなかには一、ニ、三が見えますし、匹は四に似ています。作品タイトルが視覚的にも面白いと思いました。武や式も似ています。 好きと嫌いとにまみれている自分自身はどうか?という問いについては答えず、精一杯生きていくと答える最後の連に人間らしさを思いました。
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