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ヒビ
罅がはいった 動けない天井。 日々、描いていた理想の空は 太陽すら出さずに雷が切り裂く そんな音をただ見ていた 罅がはいった スマートフォンの画面のガラスシート。 日々、使う当たり前のツールに 良く見ると端に小さなヒビが見えて 触れると少しだけ剥がれて 「所詮お前なんか」 どこかから聞こえて 指に切れた痕を見つけた 罅がはいった 私の爪。 マニキュアを塗って 丁寧に扱ったはずの かつて、あの人に褒められた 小さく可愛い綺麗な手も がり、がり、がり 爪を噛んで気づけば 爪や指から赤い色 気づいたのは他人に「痛そうね」と 同情される目をされてからだった 罅がはいった 自分自身。 私は一体誰だっけ。 空は今日も真っ暗で。 広がったスマホの画面のヒビは 何も教えてくれない。 赤い手は慣れて綺麗な手は死んだ。 日々、罅、響く悲鳴。 もう何も見えないように どうか何も聞こえないように 鼓膜と網膜に罅を入れた そんな夢を見ながら 日々をただただ歩んでゆく。 歩くコンクリートは直されずに ヒビが入っていた。 私とお揃いのものたち。 ヒビが入ったものたちは息を吐き 意味もなく、生きてゆく 日々のヒビすら気づかずに
ヒビ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 958.2
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2021-04-13
コメント日時 2021-04-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文