酔いながら徒然と

　　日中、暗い魂を抱えて、だから私はのろまで、どんよりとしていつつも、目の前の仕事をたんたんとこなす。恥をかき、汗をかく。かつてこの工場で起きたであろう事故の形跡が、戒めとするように、そのままにされているが、きれいさっぱりペンキで塗り直したい衝動にかられる。　「それ」を目にする度にいつも、いつも。それとは黒い血だ。血は黒いんだよ。　二ホンノクニでいえば、色といえばイエローで、大半の日本人がその黄色い肌が差別されている実感を持つ機会なく死んでゆく。　そんなことはないか。只なぜ自分はアメリカに生まれなかった？とか、スウェーデンに生まれなかったのか考えること、ふと、私はある。なぜ私はニホンノクニに生まれたのだろうか？正確にいえば、出生させられたのか？　毎日キモイニホンの政治家や、芸能人のニュースを、何も生活の支障にする必要はないと、ここ、アパートメントではテレビを繋いでいない。わたしが生活に求めることは安気だ。　トラウマが大安売りですよ、お嬢さん、こんなにも狂った世界で薬なしで生活できるなんて、一種の才能か奇跡なんですよ。鈍感なだけだろう、馬鹿野郎！って言い過ぎた。みんな弱っているからやさしい言葉づかいを心掛けましょうと、少し気を使って愚痴めいて書けば、こころが透明になってゆく、から、書いているのかも。　でもそんなことはない。　賢治、賢治はもともとフラスコのように透明でした。やさしいイロニーを生きていたんじゃないかと考える。考えて忘れる。賢治の研究者が多すぎる。反対、中原中也賞は看板を間違えているのではないかと思うこと多々。読んでます、読んでますともええ。でも私は現代じゃないんだな、近代なんだな。　右翼、左翼という概念はパスした。死んでしまえ、ロックンロールという言葉と共に。これも一種のイロニーだよ。裏側には愛情がある。愛ある故に憎んでしまう。今の音楽には全く興味がない。ロックとは、父殺し、の音楽だ。ドアーズがファースト・アルバムの終わりにそう、父を殺したいと、ジム・モリスンは、歌っていたじゃないか。そして母を犯したいと。　主婦のオタクが多すぎる。テレビがそうした。連中の推しになる為に、最近のロック・バンドマンは魂を売った。誰がそんなものに興味を持ちますか。　高度資本主義、これは何でも意味を持ってきて価値を付与することで成立する。これを知っていれば皆、夢を見て良いということだ。わたしに言わせれば皆騙されている。　騙された気分になったことはないか？　これはジョニー・ロットンだ。こうして引用し、価値を付与する。高度資本主義のやり方だ。どこの企業もキャッチ・コピーが巧いな、と思わないか？企業は詩人を飼っている。我ら自称詩人に詩人の仕事なし。永久になし。ザンネンデシタ！だから趣味にしとけ。　趣味なら天使的露悪趣味がいい。　コロナでもなんでもないが、言葉は、ウィルスだ。それは外部からやって潜りこむ。毒と言い換えてもいいだろう。代わり、書く度にあなたは現実に対する免疫を失う。書く度に社会的なくらし、営みがどうでもいいと思ってしまう。　詩は病気だ　　幸せになりたいのならば書くことをやめよ。病人を神崇めるな。それはその人に対して大きなお世話だから。わたしも勿論病人のひとりだ。こんなことを考えて日々暮らせばノイローゼなのは当たり前だろチアノーゼ。だから職場でもまともに話せるひとがいない。だが、じぶんを隠しておきたいじぶんにとっては最適な環境だな。　わたしは抗菌剤漬けの豚。って久しぶりに酒を飲んで書いた。もういいだろう。久しく悪夢を観なかった日には。　

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作品データ

コメント数　： 2
Ｐ　Ｖ　数　： 1420.4
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投票数　　　： 1
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作成日時 2021-04-09
コメント日時 2021-04-29

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