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ヘドロ
5ヶ月間の結婚式 拷問された精神が卑猥になる 姪っ子を助手席に乗せ車を出す 半年にも満たない偶然にヒステリーを起こし 至高の表現を見出す 誰にも知られない人間 それを好み 誰であろうとなかろうと構わない あちらこちらでビールを飲み あらゆる言語は耳に入らず 不愉快な人は愛せない 姪っ子は誘拐沙汰になる前にマミーに電話した その愛に拙い涙がこぼれる 過去7年、週1回精神科医に会い 友達でもない人間の愚痴を聞き 筒抜けで薬が垂れ流された もう真っ当だけれども 芸術家ではなく カルト的な職業で それには満足している 幼いころはシナモン風味の爪楊枝を売った マフィアとギャングスターの為に車を盗み 彼らは小脇に抱えるとそっとお前は特別だと言った その言葉は魔法だった 親父は首を絞めなくなった 可愛そうで爪楊枝の仕事をやった 今でもほそぼそとやっている 同じような手をして 大人の真似をすることが賢いと感じた 速度を速める為に幾度も通姦した 殺す寸前でも愛していたから女はいつでもやってきた 愛を知って 愛に溺れた 覚えきれぬ数々の名前 覚えさせぬ数々の名前 その都度、人は変わる 誰が、誰か分からなくなり やがていつでも医者がいた 母親はいつまでも家族を信じていた だからそいつを先生と呼んでやった 習慣はあっという間に蔓延る 悪魔か天使かしらないが、そっといつでも寄り添ってくれた 老眼が年をとって直ってきた 覚えていない詩とドローイング どいつかが勝手に売った プライベートな日記と変わらない それを買った人間が自分の価値を正すために値踏みした 馬鹿げた話だ 俺に名前を付けやがった そこにセクシャルをつけてやりたい それでも病人じゃない 誰かが始めた話に乗っかるのも悪くない ボスたちの車も手に入れた 悪くない 悪くない 今度は芸術家をやればいいだけ 俺の性癖も知らないで こんな鷲鼻にモデルが寄ってくる 演じればいいだけ 結婚も悪くない 芸術家らしい結婚だろ それで今話してる どっかの薄暗いモーテル 酒場で出会った田舎のブス 金を渡し、ウィスキーを買いに行かせた だからこうして話している
ヘドロ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 954.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-09-13
コメント日時 2017-09-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
スピード感があって心地よかった。猥雑な描写と汗がにじむような人物たち。ヘドロというタイトルも効果ある。読んでよかった。ラフさを感じる読者がいるかもしれない。もし、ラフな感を与えることがあればそれはネット掲示板というチープな場の印象が影響してることもあるのではなかろうか。紙テキストで、縦書きだと想像して読むと、印象は変わる。そんなことも思った。
0結婚が半年で破綻した、語り手、という設定、でしょうか・・・姪っ子の結婚が上手くいかなかった、というシチュエーションを想像しかけたのですが、途中で〈誘拐沙汰になる前にマミーに電話した〉と出て来るので、小学校高学年くらいの、しっかりとした少女を想起しました。精神科医と会う、という「日常」と、結婚生活が破たんした、という「日常」とが、いささか未整理なまま詰め込まれている印象もあります。 覚えていない詩とドローイング どいつかが勝手に売った プライベートな日記と変わらない それを買った人間が自分の価値を正すために値踏みした 馬鹿げた話だ こうした批評的な目線と、〈今度は芸術家をやればいいだけ〉という、ある種、捨て鉢な言い方で詩を書く自分を肯定するような視線との絡み合いが面白かったです。
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