四季の城 - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

四季の城    

小さなプリンセスは僕に言った 「この世界にはゾンビがたくさんいて怖いんだ」 僕はそこら辺の木の枝を拾って彼女に渡した 「このてっぽうでやっつけちゃえば怖くないよ」 僕たちはプリンセスのお城に向かった ポケットの中が鳴いた 僕は慣れた手付きでそれを取り出し、人差し指で撫でてやった 青い光が怪しく広がり、視界を奪った まぶしすぎる光に目を眩ませているうちに 小さなプリンセスは姿を眩ませた 僕は焦ってあたりを見回す いつのまにかお城の目の前まで来ていたらしい そのお城は目まぐるしい程に姿を変える あるときは色彩を咲かせ あるときは深緑を震わせ あるときは黄金を輝かせ あるときは白銀を纏わせ どのときも人々はその美しさに息を呑んだ 光のせいで色を失った僕の目は お城に潤され、満たされてゆく そして初めて "美しい" と、目から口からこぼれ落ちた プリンセスはすぐ後ろにいた 「さあ、プリンセス。僕を撃ってくれ」 プリンセスは真っ直ぐに僕を見据えて、引き金を引いた 青い光にひびが入って、消えた


四季の城 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1450.2
お気に入り数: 0
投票数   : 5
ポイント数 : 3

作成日時 2021-03-04
コメント日時 2021-03-06
#現代詩 #受賞作
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性00
可読性11
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成00
総合ポイント33
 平均値  中央値 
叙情性0.50.5
前衛性00
可読性0.50.5
 エンタメ00
技巧0.50.5
音韻00
構成00
総合1.51.5
閲覧指数:1450.2
2025/04/11 08時23分38秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

四季の城 コメントセクション

コメント数(4)
福まる
福まる
作品へ
(2021-03-04)

想像するに「僕」は携帯電話でしょうか?確かに大手メーカーは季節ごとに新作を出してるなと思いました。

0
ライ麦
ライ麦
作品へ
(2021-03-05)

痛々しい文章だと思いました。プリンセスという言葉だけでもすでに痛々しいです。ないよも意味不明です

0
iyyo
iyyo
福まるさんへ
(2021-03-05)

コメントありがとうございます。 そうとも取れるかもしれません。「僕」はスマートフォンに釘付けになる現代人そのものです。釘付けになっている間に何か大切なものを見失っている気がするのです。

0
iyyo
iyyo
ライ麦さんへ
(2021-03-06)

コメントありがとうございます。 スモンビーという言葉を知っていれば分かるかもしれません。スマホとゾンビをくっつけた造語で、歩きスマホをする人のことを揶揄した呼び方だそうです。そして青い光はブルーライトです。 この現実的な問題を非現実的な世界観で描いてみたくてこうなりました。ただのファンタジーじゃないんですよ。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2