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西瓜頭は流星になれない
手首を切ると痛いから、心を切れば涙が流れる。 流星になれない。 道路標識にちゃんと従ったのにね、おかしいね、何が?、僕が。 哲学者が書いた本が哲学書になるなら、手を引いて、思索の海に連れていって、ビーチパラソルは用意するから。 ピカチュウとイーブイのシートを敷いて、サイダーに泡を吹かせたら、サメの浮き輪をふくらませて、沖に出ようよ。 プラトンがサーフィンしてるよ、思考の波に乗ってるよ。 ソクラテスはゆっくり身体を伸ばしてる、準備運動は大切だからね。 アリストテレスはウェットスーツのジッパーを上げたね。 ここはフィロソフィーサーファーの海辺。 僕は何にもなれない西瓜頭、割られて、中身を飛び散らせる役目。 宮沢賢治と脳相撲をして勝てたら、百万円、挑戦してみたら? 水着の紐をしっかり結ぶのが君、それをほどきたいのが僕。 需要と供給のバランスが、均整の取れた三角形になったことはないよね。 手首を切ると痛いから、自尊心を叩き壊す。 ポッケに入った自尊心を叩くと、自虐心が二つ。 何にもなれない西瓜頭は、汁を垂らして、赤い果肉。 どれだけ種を飛ばしても、流星になれない。 内蔵した魂を発露する秘密、三週間では学びきれないはず。なのに。 そんな真剣ゼミの学習キットを探してしまう僕は愚かで、おろろ〜ん。 苺ジャムパンに回帰する、夕涼み会を懐古する、そんな日もあったね、って。 だから、ヒグラシの泣く黄昏で、待ってるよ。
西瓜頭は流星になれない ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1250.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 4
作成日時 2021-02-13
コメント日時 2021-02-28
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0.5 | 0.5 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
一言言わせてください「表現がエグい」でも、「死」に向かう登場人物の特徴が少し分かります。まだ私のレベルでは若干読みにくいです。
0福まるさん、ありがとうございます。 >「表現がエグい」 ですか? それはヤバいとかそういう意味合いで受け取っていいのでしょうか? というか、そう受け取ります、ヨシ! >「死」に向かう登場人物の特徴 それはどういう特徴なのか、気になりました。 作者として。興味津々です。 コメントを寄せてくださってありがとうございます。
0「西瓜」に代表されるように赤い色の表現のことです。
0ああ、血を連想させるような感じですね。 お答えいただきありがとうございます。
0とても純粋に、読んでいて楽しめました。 ピカチュウとイーブイのシートを敷いて、サイダーに泡を吹かせたら、サメの浮き輪をふくらませて、沖に出ようよ。 特にこの一文は音もよくて、リズムもいいなと思いました。 全体として固有名詞を思いついたように持ってきたり、手首を切るだとかのいささか手垢のついたイメージが膨らんだりずれたりせずにそのままぽんと出てきたりと、「軽い」印象を受けました。その「軽さ」がポップネスとしてグルーヴを生んでいる一方で、結局のところ「西瓜頭が流星にはなれない」という事態に重力が発生せず、ただの冗長な独り言に終わってしまいそうな印象もあります。 どれだけ種を飛ばしても、流星になれない。 この比喩はやられました。西瓜の種と流星を重ねるのは個人的にすごくパーフェクトな距離感のように思えました。 あとは、前後しますが「思索の海」という形骸化した比喩をビーチパラソルという語から無理やり海本来のイメージに接続していく箇所も楽しいですし、「愚かで、おろろ〜ん。」など、どこかとぼけていて思わず口が緩みそうです。 宮沢賢治がいきなり出てきて腕相撲と結び付けられるのは本当にわかりませんでした。もしかすると流星あたりのイメージと繋がっているんでしょうか。語り手のテンションが高いことは伝わってきました。 結局よくわからなかったのですが、うふふ楽しいねって言えればそれでいいような気もしています。読ませていただきありがとうございました。
0田邊容さん、ありがとうございます。 返事が遅くなりすみません。 全体としては、楽しんでいただけたようで、よかったです。 前はポップなものは書けなかったのですが、今は、ポップ風味なものを書けるようになったかもしれません。 少しは表現力が向上したということだと思うので、それもよかったです。 ただ、悪い意味で軽くなってしまったのは、僕自身がそんなに「西瓜頭は流星になれない」と思ってなくて、西瓜頭だって、なにかこうあるんじゃないか?と思ったりするので、そのあたりの思いの深度が浅いからだと思います。 自分が思っていないことを書いても、軽佻浮薄になってしまうということでしょう。 そこは反省点です、ご指摘いただき、ありがとうございます。 自分自身、書いていてけっこう乗れたので、個人的にも楽しかったですし、種のところなどお褒めいただけた表現もでき、それも含めよかったです。 個人的な反省をもう一つ言えば、最後の方を少しまとめようとしすぎたところですね。 それこそ、饒舌に続いていきそうだったので。 とくに最終行はまとめてオチをつける感が強くて、もう少し改善の余地がありそうです。 音や韻律のよさも、ここ数年、意識して取り組んできたところなので、成果が出てきたかな。 時間をかけないと磨かれないものもあるものですね。 それでは、ありがとうございました。
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