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ice poetry
ラジオから聞こえてくるふつおた、 新聞の投書、SNS、掲示板でのつぶやき。 ふと見聞きしていると心配になることがある。 その子はそのあとどうなったのかな? その子は今安全な場所にいるのかな? その子は少しでも具合はよくなったのかな? きっと私たちは知らないまま、その子にとっての非日常を繰り返し、風化させていく のだろう。 ま、仕方ないか笑 蕾が花開く一瞬を実際以上に美しく言語化することはできるのに、 炎上を察知すると他人より多く持っている ことばの武器をしまってしまう。 花の樹液を抜いて色素を吸わせ美しさを 維持するものを preserved flower という のに対し、香りや見た目そのままに凍らせて 花を維持するものを ice flower という らしい。 これくらいならできるかな? あの時聞いたけど知らんぷりしたできごとを、 本当はかけてあげたかったことばをそのままに 永久凍土に凍らせてしまおう! どうか見つかりませんように
ice poetry ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1481.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 6
作成日時 2021-01-19
コメント日時 2021-01-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 6 | 6 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
丁寧で清潔な筆致と内容、そして『ice poetry』とは巧い名づけですね。 なにかと不穏でノイズめいた「その子にとっての非日常」と「本当はかけてあげたかったことば」を「永久凍土に凍らせてしまおう!」とうたう。永久凍土になったら、存在は確かに風化せずに保たれるけれど、見つからないでしょうね。 読後、この詩のすべての言葉が冷たく凍った感じがしました。まさにice poetry!
1yasu.naさん コメントありがとうございます^_^ 「その子にとっての非日常」、 「本当はかけてあげたかったことば」など、出来なかったことを 変えることはできません。 ならせめてその場面をそのまま保存し、誰にも見つからず、外部からも傷つけられないように凍らせることを選びました。 ひんやりとした?読了感も味わっていただけたようでよかったです笑
0最近と言っても、もうだいぶ前ですが、preserved flowerを人にあげる機会があって、そうしたことから先ず作品に興味がわきました。ice flowerというものがあるのですね、iced flowerではないのかとそんな細かいことが気になったり。それでも、その両者の違いについてなるほどなあと思いつつ。 「ラジオ」「投書」「SNS」「掲示板」から流れてくる情報は、鮮度が重要というものであり、せいぜい1~2日経つと、もう違う話題になっていることが多いです。そうした情報の速度というものがあるからこそ、「そのあと」や「今」について想いをめぐらしてみるということは重要ではないかと思います。 情報はあくまでも情報であって、その情報のもとには実在する人や物があるのだと、その人や物はあくまでも情報ではなく、存在であります。情報は鮮度が大事になってくるからこそ「今」ばかりを伝えるのですが、その「今」が時を経ることで鮮度を失ってしまうと、情報は捨てられてしまいますが、存在が捨てられることはありません。 そうした鮮度が大事な情報をそのままに残すための手段として着想を得たのがice flowerであって、この結びつけ方に驚きを覚えました。花もまた鮮度を重要とするものであって、そうした共通点を持つ情報と花を結び付け、花をiceできるなら、情報をiceにしようと。ただ、情報は実体を持つものではなく、物理的にiceにすることができません。そこでどのようにするかと言えば、おそらく言葉や文字にするということが情報をiceにする手段なのかと。 ただ、この詩はそうしたことに留まらず、最終行「どうか見つかりませんように」ということと僕が今まで述べてきたこととはあまり結びつかないように思えます。この「見つかりませんように」と願うものは、おそらく「ことばの武器」のことなのでしょう。情報をiceにして残すということは、言葉や文字にするという手段があると述べたのですが、それは単に手段でしかなく、「どのようにしてice」にするのかは、その職人・技術者、いわば、言葉や文字を扱う者次第であるということです。「美しく言語化する」ことだけではなく、時に「武器」になってしまうということ、きれいごとだけでなく、表裏一体の顔を持つ「言語化」の作用がこの作品でiceされているのでしょう。
1メディアに上がってくる情報はほんの一握りのようなきがします私も人を傷つけたことはたくさんありますが謝るときにSNSでいいのかと思うときはあります
1なかたつさん コメントありがとうございます。 preserved flower のプレゼント 素敵ですね〜 ice flowerはたしかに状態でいうとicedです笑 推しのアイドルちゃんのブログを見て知った言葉なので詳しくは わかりませんが、ググったら出 てきたので、表記的にはice flowerで合っていると思われます。 ・情報の速度というものがあるからこそ、「そのあと」や「今」に ついて想いをめぐらしてみるということは重要ではないか ・情報はあくまでも情報であって、その情報のもとには実在する人や物がある コメントいただいた中でも特に上記2文は刺さりました。 この詩を書くにあたり着想を 得たものがありました。 そのものを見聞きした際に感じた ことがまさにご指摘いただいたことだったので、明瞭に言語化して いただき、スッキリしました。 *いただいたコメントの順序前後 します。 情報をiceにし残す手段についてですが、iceする人は「ことばの武器」の特性上主観を入れず、ただ事実だけを記し、凍らせる必要があると思います。(難しいでしょうが) 詩中の最後、「どうか見つかり ませんように」の解釈はご想像の とおり、「ことばの武器」を 受けない場所で守られて欲しいと いう意味です。この武器の厄介な点は、善意から作られた盾であっても、視点を変えたり扱う人が間違えると矛と化してしまう点です。一度 世に出た情報は発信者の自己責任でもあります。よって炎上を抑えるためには、待つ=情報を凍らせて保持することが最善策だと考えて います。 前文に「永久凍土に凍らせてしまおう!」と記していますが、永久凍土は永久ではありません。時間と共に氷は溶け、必ず表面化します。 ですので本当は「どうか見つかり ませんように」なんて箸休めにほかなりません。 ご指摘いただいたとおり「言語化」の作用は表裏一体です。 「ことばの武器」、すなわち言語化の副作用に苦しめられた人ほど「言語化」の作用の威力を知っている人だと思います。 だからこそ融解した時には、正しくことばを行使できる人に見つけて欲しいと密かに願っています… 長文失礼いたしました。
0福まるさん コメントありがとうございます。 たしかにメディアに上がってくる 情報は上澄みであったり、 センセーショナルな言い回しを することで物事の背景が霞んで しまうこと、よくありますよね、、 SNSの活用法は自由ですが、その分さまざまな思想、立場の人が利用しています。同じことばでも重みや 捉えられ方は変わるという想像力をはたらかせながら発信し、受容する ことが必要だと改めて思いました。
0【追記】でもだからこそ、想像力を はたらかせてもそれはあくまで想像 です。自分が人を傷つけたと思ってもそれは自分の想像力の範疇であって、 相手が実際にどう感じたかは相手に しかわかりません。 (極端な例を除く) 罪悪感に苛まれたならその時に感じたことも凍らせて保持して、目を 背けていいと思います。 (という意味も、私の詩の"これくらいならできるかな?あの時聞いたけど知らんぷりしたできごとを、本当はかけてあげたかったことばをそのままに永久凍土に凍らせてしまおう!" に込めたつもりです笑) 自分で凍らせたことさえ覚えておけば、罪悪感なんてそうそう消える ものではないので。 蛇足ならすいません。
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