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八月の不確かさ
草いきれが立ち込める 曇天、雨は降らない 汗ばんだ手は冷たさを求め あなたの手から滑りでて ひんやりとした手首をつかむ 歩行者信号が点滅する 私は走り出そうとして つい、と あなたに引き戻される いつも 肯定を確認したくなるのは あなたよりも 自分が どうしても信用できないからで だからいつでも 言葉にして 感情を閉じこめて容どって 知らないうちに どこへでも行ってしまわないように 束縛してほしい それで いつまでも安心していたい アスファルト 人工の熱が跳ね返って痛い 湿度の高い朝に 交差点、信号待ちのあなたが なんのけなしに私のおなかを撫でる かわいいあなた それではまるで 私 妊娠しているみたいって 錯覚してしまうのに
八月の不確かさ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 961.8
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投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-09-03
コメント日時 2017-09-08
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最初、私、が男性で、あなた、が女性、なのかと思いながら読んでいて・・・最後まで来て、あれ、逆だったの、と読み直しました。 草いきれと曇天、このシチュエーションから、すでにたちこめてくるものがありますね。つながれている手をふりほどきたくなる、でも離れたくない。そんな感覚も、ビビッドに伝わてきます。緑が豊かに残る郊外の住宅地、その中の道路・・・車の往来がほとんどない、そんな場所にお嫁に来た若い女性を想像してみました。すぐに走り出したくなるような、はつらつとした若さを持った女性。律儀に(車が来なくても)信号を守る、男性。手首のひんやりした感じと相まって・・・まだまだ、ふわふわと飛んで行ってしまいそうな、家庭、という環境に根付かないような女性と、「家庭」や、その安定に憧れる男性、を思い描いたリしました。 そうやって読んでいくと、二連目は・・・あなたのことは、好き、だけれど、一緒にもいたい、けれど・・・熱い手に繋がれているような息苦しさからは逃れたい・・・でも、つかまえられていたい、つかんでいたい。安心したい、自分がどこかに飛んで行ってしまわない、ために・・・そんな、ゆれるような心の内を、テンポのよい語り口で歌った作品のように思いました。
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