フィラメントから飛び出た熱が真空のまるみ、に溜まっている
シンクの中に溜まったがらくたの、とりわけ玉葱の匂い
フライパンから零れた残滓が水滴にはじかれながら
逃げるように虫たちの微睡みへとすべりこんでいく
部屋中に不快な死体が転がっている
と、私が思っているものは、たぶん死体ではないのだ
コンタクトをしたいと思わないのは
メガネの中に小さく収まった世界の都合の良さに救われているから
けれど、もうすぐ私も仕舞われる
湿った布団の上に放り投げたクッションを枕替わりにして
部屋に夜が訪れる
それまで真空に溜まっていた熱がガラスをすり抜けてやわらかく降り注ぎ
月光のようなまだるっこさで視界にシミを作っている。
ぢ
諦めのため息は世界の切れ端をひっかいて
そっと、向こうの方から、たたまれた
崩壊していく土曜日
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 1221.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 1
作成日時 2020-12-05
コメント日時 2020-12-13
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 1 | 1 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1 | 1 |
閲覧指数:1221.2
2024/11/21 21時17分19秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
焼き焦げた玉ねぎのにおいは食べるまえには、いいのだけれど、 ハンバーガーショップでバイトしてたとき 身体に染み付いたにおいは臭かったことを憶えています。
0映像的な作品だと感じます、シャープな文体で的確に描写していく感じが秀逸だと思いました。見習わせていただきます。
0たまねぎの匂いって食欲をそそるときも削ぐときもありますよね。 炒めていると良い匂いなのに、冷めるとちょっと生っぽさがでちゃうのかな。
0なかなかいただけないタイプの褒め言葉で嬉しいです。 シャープにストンと落とす感じって難しいですよね。
0