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実体のない
そこには、誰もいませんでした。 しかし、そのことを観測した人もまたいなかったので、そこに誰もいなかったことを知る人もいませんでした。 そしてまた、その場所に思いを馳せる人もいませんでした。 そんな誰からも忘れ去られた場所はこの世のどこかに確実に存在しています。 しかしそれを身をもって知ることはできません。 あなたがその場所を訪れた時点で、その場所は誰からも忘れ去られた場所ではなくなり、誰もいない場所ですらなくなってしまうのですから。 その場所で反射した光を色として見る人はおろか想像する人さえもいない今、そこに色はありません。あるのはただ物質にぶつかって反射した光です。 その場所で振動した空気を音として聞く人はおろか想像する人さえもいない今、そこに音はありません。あるのはただ物質によって振動した、空気の波です。 そこには何らかの物質が存在していて、何ならそれらは動いている可能性すらあります。 しかしそれを知覚する人も想像する人もいないのでその特定の場所について「その場所には何かが存在する」という人も「その場所には何も存在しない」という人もいません。 更に言えば「その場所は存在する」という人も、「その場所は存在しない」という人もいません。 ただ、そういった性質を持つ場所は必ずどこかに存在します。
実体のない ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1038.3
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-11-22
コメント日時 2020-11-25
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
そこには誰もいませんでした。 この言葉に詩性があり、私は近づくことで色んなことを呑み込むことが出来ました。
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