月のひたいに手を当てて
火照る頬まで撫で下ろしたら
枕元まで月がやってきて
寝物語を語っていきます
遠く星からロケットが
ないしょの歯形を付けていくので
月は幾度も欠けたのですが
それでも夕べはやってきますから
割れた涙を溢して月は
自分のかけらを探します
砂漠の民もらくだを降りて
空を見上げるこんな夜は
もう一回でも何回だって
お月様が見たい夜だから
建物の後ろかたみに覗く
月に眼を細めるのです
何千回でも何万回でも
月は頭の上に浮かぶから
僕はその度歩みを止めて
更けゆく夜に手を伸ばすのです
行ったり来たりしてた月は
いつの間にやら行ったきり
白けた朝を置き去りにして
排水口へ消えていきました
天井が溶けて落ちてくるよな
夜空の黒を眺めていると
流るる夜に浮かんだ月を
掬える気がしてしまいます
涙の海に手を浸しながら
月のかけらを探っていると
僕はいつしか夜露に濡れた
月のひたいに手を当てるのです
作品データ
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作成日時 2020-11-11
コメント日時 2020-11-14
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項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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2024/12/22 01時44分01秒現在
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静かで冷んやりとして一度でもいいから触れてみたいと思う月に、触れた感触を感じられました。 私も月を見るのが好きなので、素敵な詩だと感じました。
1ですますの優しい調べで整えられていて、音読をして韻律に心地よさを感じました。最後の月のひたいという言葉が余韻として響くようでした。
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