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挽歌
寂しいから寂しいと言って なにが悪いんだ、ばかやろおと ほざいた横顔が 頰を固めていて 柔らかな肉が突っ張っていて なにかをこらえていた 夜に そいつの となりに座って アフリカ大陸サバンナの夢をみた なにもいない見わたすかぎりの大地を 黄色い風が吹き抜けていた 少しずつ夜は明けている 目覚めると カーテンを閉め忘れた からの瓶が転がったベランダがみえた そこにも風は吹いていて なぜか一匹の手のひらに乗るサイズのキリンが 遠く昇りかけの朝日を眺めて 喉を振り絞っている そこには大陸など みえやしないというのに 寂しいから寂しいと言って なにが悪いんだ、ばかやろおと だれに向かって 訊けばいいのかわからない街に ふたり もう少し 眠ろうか
挽歌 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1260.2
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 2
作成日時 2020-11-05
コメント日時 2020-12-09
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いいなあこの二人。 いつまでも一緒にいられそうな、詩。不思議なのに、違和感がない。 私の中にも、平野を思いっきり駆け出したい欲望が蘇った。そして、それがかなわないもどかしさも。 その代わりに誰かを思いっきり抱きしめたくなる。
0「哀歌」 くだらねえんだよ 怒りあふれて かなしみになって 殴れない 純真なまなざし 力ずくで ふりむかせても 心動かせなくて 夜明けのベンチ 夜明したふたり 海が朝陽できらめく 話した心と心離さずに つながる手と手の温度 わかる相手の温度 指で触れる感度 からになったペットボトル わけあった炭酸ジュース 埋めたてられた海の上で 埋める溝、体の制約すら利用する 海岸線に走る 切なさの速度 どうしたらいいんだよ 動けない苦しみに 体突き破るかなしみ 朝日が満ちても 目覚めない街に 沈める今日を 指が離れる 振られる手に こたえて * 返詩です。
0語られているのが想い人なのか友人なのか。 想い人だといいなと思って読みました。 ひょっとして双方に望まぬままに体を合わせていたりなどしたらさらに気分だなと。 何か果たせない思いを抱えた友人として読んでも、非常に寂しさや少しの肌寒さが表現されていていい詩だなと感じました。
0>寂しいから寂しいと言って >なにが悪いんだ、ばかやろおと >だれに向かって >訊けばいいのかわからない街に こういった現代社会に対する虚しさは以前から様々に描かれてきましたが、今年は感染症問題もありよりいっそう心に刺さります。 隣の「そいつ」が亡くなったのか、作中の「ふたり」以外の人物が亡くなったのか、どちらにも読めました。どちらも良いですね。 夢に吹く黄色い風やサバンナの描写には解放された魂への憧憬でしょうか。生きづらいと感じながらも生き続けていかなければならない現実を保留する最後の三行がゴシックな感じもして好きです。
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