未来の - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

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未来の    

夜と朝の隙間のプリズムが 細い細い光を3本屈折させるのを 細目で目詰めながら ああ、今日もゴールドベルクを10回も回してしまったよ…なんて そんな甘い朝はもうとっくに手放してしまった ときどきそんな未来のことを思い出す 未来に負ったトラウマで 僕はとても悲しい気持ちになりました だってお化粧が濃いよね、だなんて いえないじゃないか なるべく丁寧にフィルムに焼きつけてから ばら撒くように手放した ばら撒くように手放した 美しい花は全部散り散りに破いて捨ててしまったよ、燃えてしまったよ、燃やしてしまったよ、もう真っ白な砂になってしまった、それでもこんなにも重たいんだね (ああ、重たいのは入れ物) そうだ海に撒こう、海に撒こう、海に撒こう


未来の ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 7
P V 数 : 928.3
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-08-23
コメント日時 2017-08-27
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:928.3
2025/04/09 10時06分55秒現在
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    作品に書かれた推薦文

未来の コメントセクション

コメント数(7)
survof
(2017-08-25)

花緒さん コメントと素敵な解釈ありがとうございます。解釈そのものが一つの作品のようで、このようなコメントを書けるのはとても素敵なことだと思います。個人的には解釈をあえて公にすることに関して、ちょっとした違和感をいままで感じていたのですが、いざ自分の書いたものに対して解釈をいただけると、こんなに嬉しいものなのかと、経験としてとても新鮮なものでした。改めて自分の詩を読んだときに新たな景色が見えてぐっと視界が広がったような気がしました。ありがとうございます。

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三浦果実
(2017-08-25)

始まりから異空間がある。二連目に描かれる時間軸のねじれかた。「だってお化粧が~」のくだりから、なぜかしら、70年前後のニューシネマな意味合を感じる。たしか、ニューシネマというムーブメントは既成の倫理やら、規制そのものから自由になろうよ的なテーマだったと思うのだけれども、大凡、ニューシネマの最後は爽やかなんだけど、結局死んじゃうよね、みたいな終わり方じゃなかったかな。 そうだ海に撒こう、海に撒こう、海に撒こう こののリフレインが、ニューシネマの終わり方っぽい。そんなこと思うのは私だけかな。そうだなあ。ニューシネマって明るい未来を望んでるのに、最初からバッドエンドはわかってんだよ、という切なさなのかもしれないし、その切なさを、今作「未来の」は表現したかったのかもしれない。その視点でみると時間軸のねじれ方がよくわかるんだけど、何かもうワンパンチ足りないような気がする。

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survof
(2017-08-25)

三浦果実さん 鋭い感想をありがとうございます。 「明るい未来を望んでるのに、最初からバッドエンドはわかってんだよ、という切なさなのかもしれないし、その切なさを、今作「未来の」は表現したかったのかもしれない。」 ニューシネマの映画自体はあまり観ていないのでニューシネマの雰囲気についてはあまりよくわからないのですが、それでもこのご指摘はかなり近いです。この言葉で表現して頂いて自分でもはっとさせられたくらいです。こうして自分の表現したいことを形にすることで、他の人が自分のことを自分より正確に映し出してくれるということもあるのかもしれませんね。何かしらの形で自分を表現をすることの意味を新しくひとつ見つけた気がします。 「その視点でみると時間軸のねじれ方がよくわかるんだけど、何かもうワンパンチ足りないような気がする。」 これはおっしゃる通りなんです。できるだけ重たくならないように、センチメンタルになりすぎないように、深刻になりすぎないように、ある意味突き放すように、ということにかなり気を使って書いたのですが、なかなか難しいものですね。「時間軸」に関してはまだまだ表現したいこと、表現しきれていないことがあまりに多く、これから少しずつ深めていきたいと思っているテーマの一つです。

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まりも
(2017-08-27)

細い細い光を3本・・・さりげなく、実景のように書かれているけれども、過去、現在、未来を射抜く光、なのかもしれないな、と思い・・・冒頭から繊細な手つきに唸りました。 〈美しい花は全部散り散りに破いて~〉この、一気にほとばしるような一行が印象に残ります。唄でいうなら、サビの部分? 未来の破たんを予感しつつ・・・お化粧が濃いよね、というフレーズの軽さを考えると、これは架空恋愛なのかな、と思ったり・・・。 美しい思い出だけを残して、全てを(事前に)棄ててしまいたい。そんな未来を憧憬しながら悲嘆するという、不思議なジレンマが歌われているように感じました。

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なかたつ
(2017-08-27)

 冒頭、目に見える世界を目に見えない世界へと細分化して描きながらも、挿入される言わば雑念のようなもの。そうしたものが語り手の思いとして、細分化した世界を超えて実感となるわけですが、「そんな甘い朝」も手放しているんですね。一読すると、この甘い朝はまるで過去のことであり、「手放す」という言葉とセットになるのは、過去の時間であるように思えます。  ただ、次の連は「ときどきそんな未来のことを思い出す」という矛盾した表現で、さきほどの予想が裏切られます。展開される詩行は「未来」について語られたものですが、その「未来」を「過去」と置き換えても違和感がないようになっています。これは、これから起きるはずであることを先取りしたものなのか、それとも、過去に起きたことが未来に繰り返されることを予測しているのか。そうした混乱に陥りながらも、「だってお化粧が濃いよね」という誰かが誰かに呼びかける二者関係がここで浮かび上がります。  そして、至るのは、美しい花=「未来」≒過去を手放すということ。それもできるだけ無残に、原型を留めないように、散り散りに破き、燃やし、結果として真っ白な砂となります。砂は軽いはずですが、語り手の想いがあるせいか重たく感じてしまうのでしょうか。ただ、その入れ物が重たいという、その入れ物とは、その真っ白な砂を持っている語り手のことでしょう。  海に撒こうが三回繰り返されているのは、おそらく葛藤の表れです。まだ決意しきれていない語り手の想いを自ら確かめるかのように、行動へと仕向けるように、自らへと呼びかけているのでしょう。

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survof
(2017-08-27)

まりもさん コメントありがとうございます。なるほど、確かに架空恋愛としても確かに読めますね。私にとってとても新鮮な解釈でとても嬉しく思いました。 実は詩の着想となる具体的なモチーフ(人生のおける出来事とでもいいったほうが正確かもしれません)があってそれをもとこの詩をに書いたのですが、 そのモチーフを直接連想させる言葉はできるだけ削って、読者に解釈の余地を多分に残した抽象性を持たせる、ということを今回強く意識したんです。 <美しい思い出だけを残して、全てを(事前に)棄ててしまいたい。そんな未来を憧憬しながら悲嘆するという、不思議なジレンマが歌われているように感じました。> 自分が詩にすることでしか表現できなかった感情、感覚をこうして読んでくださった方が言葉にしてくださるのがとても嬉しいです。「ああ、そうか自分の表現したかった感覚って論理的に説明するとこういうことなのか」と。「未来を憧憬しながら悲嘆する」はまさしくそのような言葉です。

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survof
(2017-08-27)

なかたつさん とても丁寧に読んでくださりとても嬉しく思いました。私はあまりこうした解析的な読み方を普段ほとんどしないのですが、こうして丁寧に解析していただくと自分でも見えなかったところが見えてくるように感じます。  <展開される詩行は「未来」について語られたものですが、その「未来」を「過去」と置き換えても違和感がないようになっています。> これは鋭いご指摘です。それが意図のひとつだったので。。 <これは、これから起きるはずであることを先取りしたものなのか、それとも、過去に起きたことが未来に繰り返されることを予測しているのか。> 自分のなかには、この点に関してはっきりとした答えというか前提みたいなものがあるのですが、あえて明言は避けます。が、この詩で一番表現したかったことの本質に触れてくださっている一文でしたのでとても嬉しく思いました。この詩全体が、なかたつさんのこの言葉の周辺にある感覚と感情に関するものなんです。作品としてもう少し上手に表現したいと思っているので、これからもこの感覚・感情の表現にトライしたいと思っています。 他にもドキッとさせられるご指摘がいくつかありました。中には「まさにその通り」というものもあり、そうした点を共有できたことをとても嬉しく思います。 丁寧なご感想ありがとうございました。

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