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2017/03/17
朝に なにも見ていないようというような俯き加減で 商店の女の子はレジを叩いている。 外はやたらと暑くて店内の冷房が心地いい。 外で検閲をしているあの影は いつも通り、この後にここを通り過ぎて 街はずれの書店や、喫茶店で なにか、ニュースや雑誌を読むそぶりをして います。 向かい側にはこの間できた 大型のコンクリートの建物があって、 中に入ってみたい興味はあるけれど、 入る事はできない。 屋外に生き物を放つのは危険なはずなのに 老いた白いその犬は、ぼんやりと佇んでいる。 今日明日中に、あの瓦礫は消えるらしい と聞いた。 埃だらけの市街地で、ガラスに映り込む陽の光や、うっすらと立ちのぼる外気に晒された 空気みたいな熱を見ていた。 商店の女の子はどこかに行って、 狭い店内のレコードや 飾ってある古い時代のジーンズ等を、 一通りみて、店を後にした。 それから、外の空気がやたら熱くて ビールでもなんでも 気を紛らわしてくれるものが欲しかった。 道を行きながら、気がつくと 奇妙な路地裏に辿り着いて。 高いビルの窓から反射される光が 薄いホログラムのシールみたいに ゆっくりと剥がれ落ちて、 風に、 舞っていく その捉え所のないシールのようなものを捉えようと 手をのばしたところで 夢から目が覚めた。
2017/03/17 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1324.3
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ポイント数 : 0
作成日時 2020-10-20
コメント日時 2020-10-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文