凍てついた空から白い雪が
大地を傷つけないように
時間をかけて少しずつ降り積もった
昼間のうちに温もりを蓄えていた摩天楼が
病んだ空の痛みに小さく震えた
賑やかさに飢えたストリート
孤独に踊る少女のステップが響き渡る
歪んだ街を落書きに飽きた盲目の詩人が
油でまみれた輪郭を頼りに
重い影を引きずりながら
がらくたを漁って歩く
昨日の朝 同じ場所で
一匹の野良犬がひっそりと息をひきとった
僕は練習に明け暮れる三段跳の選手だった
Misery Misery Misery
愁いのある心の貧しさに触れて
腐りかけては水の中で息を吹き返した
栄光で飾られた広場では仲間たちが
エンジンをかけて
僕の帰りを待ち続けてくれた
花束はいつか届けるつもりだった
自分を打ち砕いて迎えにゆくつもりだった
取り留めのない乾いた言い訳が
一本のインクを使い果たしても
尚止まなかった
まるで誰のせいでもない運命が
ひとつの生命を奪っていった夜のように
誰も正しいとは言わなかった
誤りだと責めたりもしなかった
幻想をさまようことの罪深さ
ガラスの玉ねぎの中だけでこだましていた
作品データ
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作成日時 2020-10-11
コメント日時 2020-10-11
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 21時03分55秒現在
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