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アヒル
人は顔じゃないよ みんなそういうの でもわたしは本当に 本当に醜い顔で生まれた 誰のせいでもないよ 親でもかみさまのせいでもない でもわたしはこどものときから 本当に不細工だった 親戚がわたしを見る目 こどもでもわかるよ わたし腫れ物だって わたしは勉強も運動も 何も得意じゃなかったから 何者にもなれなかった あなたはなぜ そこにいるの そういわれてる気がして 教室にいるのも辛くなった 保健室の人はみんなやさしかった いつも一緒にいた男の子 ずっと下ばっかり見てて 誰に何言われてもなんにもいわない 彼もまた何か抱えてるんだろう お互いに何も言わないけど お互いの存在を確認して安心してた 高校を卒業なんかしてしまった後 非正規の仕事なんかについちゃったりして わたし 何も迷惑かけませんから 存在消しますからって 黙々と働いた でも でもね ある日聞いちゃったの かわいそ って そうそう わたしかわいそうなの かわいそうでしょ ははは笑えるよ なんかもう 恥ずかしいのか悔しいのか 悲しいのか怒ってるのよくわからない 気持ちがぐちゃぐちゃになって その瞬間 全身から羽毛がばりばり生えてきて あっという間に純白の衣に包まれた 綺麗な真っ黄色のくちばし きらきら光るビー玉のような目 誰もが見とれる美しい羽根 わたしは わたしは気づいたら かわいいかわいいアヒルになっていた
アヒル ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1284.0
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2020-10-02
コメント日時 2020-10-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 7 | 7 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 3.5 | 3.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ららら様 拝読させて頂きました 初見は醜いアヒルの子の意を汲んでいるような印象も受けましたが 抽象的な"アヒル"のそのものの美しさを具に拾い上げているようで構成としても内容としても綺麗だなぁと思います。 ありがとうございました。
0ありがとうございます!!
0アンデルセンのみにくアヒルの子を思い出しました。あの話はアヒルの子が白鳥であったと気付く話なのでちょっと違うと思いましたが。
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