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金魚の系譜
ただゆらゆらと泳いでいた記憶が遺伝子に残っています。 その頃は名前も今とは違くて、 いや、今の名前も私は把握していませんけど、 でもいくらかひもじい思いはしていました。 近くに異性がいたから、 子供を作りました。 多分ほんとうは「子供を作る」という意識も無くて、 ただ遺伝子の命じるままにふらふらとしていただけでしょうけど。 ご飯があったから食べて、 異性がいたから交尾をしました。 その生活を何世代も続けました。 私の体はどんどん偏った形となっていきましたが、 ただその時は違和感を覚えませんでした。 その時の私はその時の私だけが私なので。 今の私はその時の私ではないので異質さがわかるけど。 今の私が偏っていたとしても今の私である私はそれに気づきません。 だって私は今の私ですから。 私だけが私です。 水をかき分け、ぷらぷらした糞を少しだけ感じ、 エラを開閉させる。 私はどんな姿をしていますか。 私にはわかりません。 わからないけど、今も泳いでいます。 明日もそうでしょうし、 千年後もそうでしょう。
金魚の系譜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1900.3
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-08-22
コメント日時 2020-09-03
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
淡々と書かれていますが、実際金魚はこんな感じで生きているのでしょうね。 ランチュウとかデメキンとか、相当な奇形なのに、金魚は淡々と金魚です。 もしかしたら、我ら人類の事を書いているのかもしれないですね。
0羽田さん この詩は上野の国立科学博物館に行ったときに書いたものです。金魚の各品種がどのように繋がっているかが樹形図のようになっていましてね。それを見て思ったのがこの詩でした。
0金魚は恐らく鯉から改良されたものだそうなのですが、雄と雌の交尾とか、ランチュウ、琉金など、高級金魚の開発、遺伝子レヴェルのゆるりとした進化や変化。今の遺伝子操作が抱える人工性の危うさなどの問題点を詩を通して遠回しに指摘しているようにも思えました。私が私であると言う自己同一性に閉じこもり難い現実の問題点などが金魚に仮託して示唆されているように思えました。
0エイクピアさん 国立科学博物館で見た図はまさにランチュウやら何やらの関係性が説明されていて、おそらく使われていたのは実際の金魚のはく製です。 金魚は江戸時代に養殖が活発化したらしいですね。似たようなブームとして朝顔の交配がありますが、そちらは今ではもう種が残っていない品種も作られていたとか。
0文字数をX、情報量やポエジーをYとすると、この作品はX=Yであると思いました。そして、ポエジーをZとするとZ=0なのではないかと思いました。この作品は作者にとって新しい詩表現の第一歩、試金石なのでしょうか?私にはこの作品の深みや良さがわかりませんでした。さらに言うなら、読者にとって新しい情報の量をWとしたときに、W=0である気がしました。この詩のどこを見ても生物学や思想において目新しい情報がないからです。もし仮に作者が小学生であるなら読者はその早熟ぶりに驚くかもしれません。これは作者のリハビリなのでしょうか?作者は事故や病気で脳に大きな機能障害をおってしまっていて、言葉をつづる練習をしているのでしょうか? カウンセラー「渡辺さん、金魚の気持ちになって何か書いてみて?」 患者「あ、はい」 職員たち「渡辺さん、すごい回復力よねえ。あの状態から半年でここまで回復するなんて」 職員たち「事故に遭う前は外資系の企業で出世頭だったらしいわよ」 職員たち「奥さんもしっかりと渡辺さんのこと支えてあげててえらいわよねえ。それに奥さん美人だし。美男美女夫婦ね」 どうであれ次に渡辺さんが投稿なさる詩にほんの少しでもポエジーがあれば読者はうれしいです。世界一の詩人になってください!
0視点を金魚にもってゆくところが個性的だと思っておりましたが、これは金魚の視点ではなく、金魚を外から観察し、思いを馳せている人間の視点に留まっているように思います。 本当に今の私が偏った形をしていることに気づかないのであれば、そもそも気づかないという自覚さえないので歯と思いました。
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