野を歩めば柔らかく
綿雲の影、まだ青い地肌を撫で
日輪、日輪、
上機嫌に蒸気を噴かす
透明にひびくホイッスル
鳶も鳴く いい日和
そうじゃない
あすこの山が口笛を吹いて寄越すのだ
風は息をふきかける
髪がゆれても心地よい
(見渡すかぎり誰もいないが寂しくなんかない
口を噤んでいるとしても悲しいものか)
足元に ダンデライオン
鳥がとびこんでいった向こうの笹原に
さざ波がたっているのは
おれに見えない馬が走っているからだ
サラブレッドだ
蒼穹の野原に並びたつ木々から
降る、降る、たわわな金の実
(たあいないひとつひとつを胸の籠いっぱいにして
いたずらに幸せと名付けるのもこの際だからいい)
野を歩めば柔らかく
俯いてしまうのは腹が減っているからだ
馬よ、馬
パンとサラダをもってこい
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1237.7
お気に入り数: 3
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作成日時 2020-07-15
コメント日時 2020-07-26
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項目 | 全期間(2024/12/31現在) | 投稿後10日間 |
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2024/12/31 02時52分59秒現在
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王道。王道の詩の美しさがある。だがそこにも現代的ともいえる試みがなされている。例えば()のあとに「足元にダンデライオン」といった趣向だ。()の一節は世情を突き放し、強がり、気丈に生きる様を描いているのだがその足元にあるのは大らかで自由なイメージのダンデライオン。この対比が対比の美しさが、この詩をただの古風で王道の詩に留まらせていない。蛇足だが筆者様にツイキャスにてサラブレッドと最後のパン(ブレッド)とサラダは着地点はそこではなかったのだが締めとして閃いたとお聞きした。この遊び心ユーモアのセンス、ある種の融通もこの詩を良いものにしていると思う。
1こんばんは。ツイキャスで強引に読んでくれだの、なんかコメントしてだの勝手な注文つけたにもかかわらず、面倒くさがらずに読んでいただきコメントまで本当につけてくださって有り難いやら申し訳ないやらでいっぱいです。そのうえお褒めの言葉までいただいてなんと言ってよいやら。でもぼくは星野源ではないけれど褒め言葉は断らない主義ですのでバンバン褒めてください。笑 それは冗談ですが、埋もれていたものを上げてくださって救われた思いです。心より感謝申し上げます。
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