取り付く島がないなんて、言わないでほしい
冷たい人間なんだろうか
特に人にしてほしいことがないだけで
甘えない人間に
人は甘えられないってことらしい
頼んでもいない贅沢な機会と
使いもしないもらった物に溢れながら
甘やかされて育ったのだけど
エゴから生まれたお土産や解決策なんて
そんなのいらなかった
家族への義理を果たすため
忙しくて面倒でも、ギリギリのラインで
父親を演じるために
私を使わないでほしかった
甘えさせてほしかったわけじゃない
ただ
私を私として
じっくりと見て
自分の想像にも及ばない
一人の独立した世界として
対峙してほしかった
独善的に従属を求めてくる世間に向かって
私の存在を振りかざさなくていいように
傷だらけのナイフに
ならなくていいように
与えたい立場になってみて、無念
そんな私も
良かれと思うあらゆるものを
必死で貢ぐことしかできなくて
初めて気付く
甘やかされたのも、愛
未熟で不器用で盲目な父親の
愛だったのだと
私は甘えられそうにはないけれど
目を見開いていたい
先走る思考の時間を止めて
目の前の世界の真像を見据え
心を差し伸べられるように
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1473.9
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-07-07
コメント日時 2020-07-26
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1473.9
2024/12/22 02時22分47秒現在
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言葉の感じは好きです。でも、読み込むには長すぎるように感じるので、個人の意見として、もっと削ってほしかった。残念です。
1お読み頂き嬉しいです!まさに、この頃作品が長ったらしくなるのが悩みで...重ねて強調する癖があるのかもしれません。語尾もよりコンパクトにできますね。日本語の語尾って不思議で、語尾の変化で別人になるため弄るのが少し怖いですが、実験的に削ってみようかと思います。貴重なご意見ありがとうございます^^ この詩はほとんど作り込んでおらず、私の素の思考に近いです。「甘やかされる」という一見こちらへの尊重と思われた関係性の中に、相手からの支配と無理解を感じ取ってしまい、それへの無意識な反発が過度な自立/独立性の死守に繋がっていたことが自分の中でわかり、詩になりました。 こだわりポイントは語尾のキーワードかと思います。甘えられない人だと言いながら、語尾では逆に「ほしい、ほしい」と連呼し甘えている。しかしこの「ほしい」は主に「しないでほしい」であります。つまり、語り手が唯一「ほしい」といっているのは、相手に「しないでもらうこと」、つまりはこちらの意思の尊重と自身の独立。これが語り手の唯一の「あまえ」なのです。...やはり語尾は削らないほうがいいかもしれませんね。笑 語りとは裏腹で、揺れ動いている、(めんどくさい)思春期の女の子みたいな詩だと思います。笑 当時は言葉になりませんでしたが。
1甘やかすのも、甘やかさないのも立派な愛。ただ、受けとる方にはわからないものです。愛って気まぐれの天気みたいにコロコロ姿を変えるんですね。甘えたことのない人は甘えられる人間になろうと頑張りますが、他者を精神的に包容するのには深い慈愛の心が必要です。作品を読ませていただき、あなたの家族に対する深い愛情を感じました。精神的試練を得る毎に貴方は強い人間になれるでしょう。これからの作品が楽しみです。
1戸ヶ崎朝子 様 温かいコメント、感謝致します。ただの「甘え」ではなく、そこにある愛というテーマを読み取って頂けて嬉しいです。甘えと愛に関しては、まさにご指摘の通り「受け取る側」と「与える側」でこんなにも感覚が違うものかと、驚いた次第です。与える側になって初めて愛がわかるのですね。そういう意味では、ある程度歳を重ねないとわからない感覚なのかもしれません。一回理解したからには、受け取る時も感謝しながら受け取ろうと改めて思います。ただ、原則として愛は掛け捨てだと、悟りもしました。笑 今自立した立場で大人と大人として家族と向き合うと、良くも悪くも人間の性が見えすぎるようで怖い時もあるのですが、仰る通り大変な時こそ学びは深いですね。振り返った時にはきっと成長していると信じて、人生気長に向き合っていこうと思います。 何か心に刻んでおきたい気付きがあった時に写真を撮るように詩を書くので、またお読み頂けると嬉しいです。勇気付けられるコメントをありがとうございました!
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