ああ、大変だ、どうしよう
轟音と共に、押し寄せる波、
それはまるで卵を飲み込む蛇のように、
大きな口を開けて、男の子が作った城を飲み込む
それは一瞬で、誰も見ていない
白く引いていく波と共に、その城は崩れた
砂の山の前で、その子は泣いた
そしてその涙は視線を集める
助けなきゃ、誰かが言った
そうだ、そうだ、助けなきゃ
助けなきゃ、その言葉はまるで波のように
浜辺中を駆け巡る
少しすると、たくさんの人が集まってきた
その子は感謝する、「ありがとう」
すぐまた遠くで声が聞こえた、
ああ、大変だ どうしよう
激しい水しぶきと共に、押し寄せる波
女の子にはなすすべもなく、
波打ち際の砂のお城は
跡形もなく吸い込まれた
砂漠の前で、その子は怒った
そしてその怒りは視線を集める
そこに作るのが悪いんだ。誰かが言う
それでも助けなきゃ、別の誰かが言った
そうだそうだ、助けなきゃ
その声は瞬く間に広がる
遠くで引いた波が寄せてくる
気がつくと、たくさんの人が集まっていた
その子は感謝する、「ありがとう」
またすぐどこかで波が押し寄せる
それは無慈悲にも清らかに
どこかのお城を拭い去る
誰かが浜辺に振り返る
あれ、男の子の城はどこだっけ
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 1103.1
お気に入り数: 1
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作成日時 2020-07-06
コメント日時 2020-07-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/31現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 3 | 3 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 3 | 3 |
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2024/12/31 02時55分31秒現在
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強迫観念のように助けることに執着する姿に違和感を感じた作品でした。そして、多くの他人を助けあげることの良さと、一人の他人を見守り続けることの良さ。その2つを思い返させられました。
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