別枠表示
偶像
素朴に 顔を穿かれ 緻密に 呪術と物語を身に着け 奇怪に 人を変容させたかのように 笑い 屈託なく 叫び 天へ地へ向かい 悲しみ 声を上げられずとも 睨み 威嚇し 驚き 茫然と虚空の瞳で 目を閉じ 沈黙している 忘れ去られた顔 無くなってしまった使命 描かれ 彫られ 眠りについた 欠けて 失い 大きく 小さく 砕け散り またこの世界で見いだされ 立ち上がる 土偶は 目を閉じ 見開き 何も言わず 顔を 向けてくる
偶像 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1318.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2020-07-06
コメント日時 2020-07-31
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 0 |
前衛性 | 1 | 0 |
可読性 | 1 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
何度も読み返したくなる作品でした。 初見では、一連目のリズムが変わる技巧に意識が向かい、 最後まで読んだときにハッとする思いでタイトルに戻り、この詩で描かれているものは土偶の果てなき一生であることを認識します。 そして、繰り返す読みでは、土偶にあてがわれた運命に思いを馳せる詩人の感性が楽しめます。 >無くなってしまった使命 この一文は、かなりぐっときました。
0「土偶」という太古のモノと対面することによって、語り手の内部で古代と現在が合流する。その奥行きと広がりへの驚きと呼び起こされる思考の動きが伝わってきます。よいです。
0実は土偶好きの羽田です。 先月機会があって秋田と青森の土偶を見てきました。 小さく素朴なもの、相当な作り込みをしているもの、明らかに笑っているもの。 写真集を見ると飽きません。 素直に驚きを書いたのが、良かったみたいです。
1土偶は具体的に何のために使われたかははっきりしていません。 大地母神ともシャーマンとも妊婦そのものだとも。 個人的には用途を探るより、土偶の存在感、装飾性を見るのが好きなだけなので、このような作品になりました。 「縄文美術館」なる本を見ると土偶の美術的な良さがわかるので、おすすめです。
0何度も読みたくなるとは、幸いです。 なのに返信遅れて申し訳ないです。 実物や復元模型、写真で見ると土偶の一言では済まないほど多種多様で驚くほどです。 それらを見て感じた事を羅列したくなり、個人的な嗜好と共に現代において美術的に評価されている様子を書いてみました。 使命はもうはるか昔になくなってしまったのに、存在感を醸し出して佇んでいます。 いずれ、美術館や博物館でその姿を見てほしいです。
0