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展翅
感じるものだけの世界で 年輪を重ねていく森 柔らかな土の匂いが 耳の聞こえない子を包む 子は初夏の日差しを 掬っては私の口に運ぶ 鈍麻した感情の為に 薬剤で全身を犯している 死体を防腐剤に浸すだけの やぶ医者しかいない街で 雑踏を啄む片足の鳩 死んでいない、今はまだ 長いこと知らなかった平和が ある日不意に日常に達して 無暗にチーズを齧りながら いつから幸せだったのか 果てようとしたのか考える うつろへといざなう声で 吠える巨躯の哺乳類 人知の及ばない所で 何かの化け物が笑っているのに 天使の羽ばたきは遠い
展翅 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1216.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-07-01
コメント日時 2020-07-02
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
一連目の感じるだけの世界、耳の聞こえない子は何を感じるのか。研ぎ澄まされるのは視覚だけなのか。 二連目の鈍磨した感情。藪医者はわき役でしかないのか。片足の鳩の行方が気にかかる。 三連目の長い事知らなかった平和。齧られるチーズはネズミを示唆して居ないのか。「日常」が気にかかります。 四連目、最終連。天使の羽搏きが到達点とは行かないまでも、とりあえずの完遂点なのかもしれない。巨躯の哺乳類は、象よりはむしろ恐竜を示唆して居ないか。恐竜は哺乳類ではないにしても、何か類を越えた、はちきれんばかりの存在を感じました。
0読んで下さって感謝です。 書いている間も書きたいことがなんなのやら分からず、今も途方に暮れたままでいます。部分的に何を言いたいかは把握出来るので、それを組み立てることで、何かが表れてこないかなと期待したりしています。 感想頂けて嬉しかったです。でかいけど哺乳類。個人的には空を飛ぶ鯨かな。
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