別枠表示
教室の一角 pattern 2
ひらがなで描かれたあの子の名前を 痺れた神経で なぞり続けている 不安な色の赤信号を突っ切る 紅色のノートと脚色のない皮膚 一番搾りのような笑顔を 臆病者の鉛筆で希望していた あの子が不幸であればいい だけれどあの子は豊かなお弁当に 特段の疑問を持たない人間だ チョークの消し残り達が生み出す 不安な暗号を思ったまま書き記し あの子に一文字ずつ読んで欲しいけど 人混みに逃げ込んで すぐにイラついて 満ちたパジャマに埋もれて ずっと人参が大嫌いで 古い疲れた延長コードで 色んなモノごとを絞め殺したい それらに二つ返事で共感する あの子をずっと求めていた あの子が不幸であればいい 弁当箱にはタクワンだけ入っていればいい 世の中に一定数いる不幸ぶった人は 涙を流すか相談して青春ぶる あの子が真に不幸になってくれたら 僕は初めてあの子を心から愛せるのに あぁ、今日のメインディッシュはコロッケか
教室の一角 pattern 2 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1703.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-06-16
コメント日時 2020-06-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
制服では隠しきれない、生まれの違いが、お昼の時間に露呈してしまう教室の情景が浮かびました。 最初の6行は雰囲気は伝わってくるんですが、私にはあんまりよくわかりませんでした。 でもそのせいで、そこだけ何度も読み返しました。 ひらがなで名前がかかれているものってなんだろう、とかって思いながら。
2ありがとうございます。 本作は一般的に詩と言われているものとも、それに類推する詩的表現とも一致しない変な文章として書きました。 そういった作品ですので、色々ご指摘がある事を想定しておりましたが、好意的に捉えて頂いて嬉しく存じます。 >生まれの違い につきまして、私としては、生まれ以上のもっと広い意味合いとして書きましたが、そこまでの表現力が出せていなかったかもしれません。 一連目につきましては、わざと他の連と比較して言葉同士がそれほど噛み合っていないように作りました。一連目で余りに形式的表現や一般化されて手垢に塗れた表現を使用してしまうと、新しい作品や表現として読まれるに至らないような気がしたことに起因します。とはいえ、文中のテーマははっきり申し上げますと手垢に塗れていますし、一連目の受け入れのされにくさが悪い方向に転がっているような気もします。 作品を生み出す事は簡単でも、新品の香りのする作品を作り出すのは途方もなく難しいと感じます。改めてコメントありがとうございました。
0「不安な色の赤信号」というのは人間から見て不安にさせられるような色の赤信号ということでしょうか?
0意図して書かれた詩だということがひしひし伝わってきて良かったです。安心して読むことが出来ました。単純に書いていくことで凡庸な出来上がりになるというよくあるポエムを、しっかり意識されているのですね。 見習わねばな、と。有り難うございました。
0ありがとうございます。そうですね、基本的に主観的に書いていますので、主人公が感じたことが現れています。ただ、赤信号そのものも、現実と比喩の中間のような位置づけに置いて書きました。
0ありがとうございます。創作であることを前提に書いてはいますが、本当は、それすらもどちらでもいいほど圧巻な作品を書ければ冥利に尽きるのだろうと考えたりします。 単純な構造でありふれたテーマをもって書いていますので、文脈や単語の繋がり、心理描写のみでどこまで書けるか、みたいなところを意識しました。改めて、コメントありがとうございました。
0