黄昏色の夢空を 逢魔の列車が走ります
大地に影を落とさずに 空気に音を残さずに
窓から灯りを漏らさずに そこに名残を残さずに
壊れたカメラと白黒テレビ
とどめた時間の結晶も
そこに色をうつさねば 何も残らぬ抜け殻か
錆びたポストの赤い色
そこに触れない極彩色
糸を断ったり結んだり 今に残るは虚無の色
泥で飾った青いくつ
ゆられて飛んだ公園を
空を知らない片割れを 記憶に残すこともせず
黄昏色の 夢空が
くすんだ藍に 変わるまで
逢魔の列車は走ります
世界に影を残さない 誰も記憶に残さない
ただ確かに 在ったかもしれない者たちを
拾って今日を さり行きます
目指すは久遠の理の世界
鉄の車軸が軋んだ音が
微かに ただ微かに耳を揺すったならば
それで彼らは満足で
黄昏色の夢空を 逢魔の列車が走ります
大地に影を落とさずに 空気に音を残さずに
窓から灯りを漏らさずに そこに名残を残せずに
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1166.1
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ポイント数 : 5
作成日時 2020-06-13
コメント日時 2020-06-13
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 5 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 5 | 5 |
閲覧指数:1166.1
2024/12/04 02時20分35秒現在
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最後、残さずに、ではなく「残せずに」というのがなんとも・・・好きです。
0夏村木さんコメントありがとう! そうですね。最後の「残せずに」には列車の乗客たちの虚しさや、彼らから漂う寂寥感を強く演出するためのものです。いろいろ考えた所なので、そこに言葉にできない感情を抱いてくれて素直に嬉しいです。
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