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〈安閑夜話〉 二枚のとりもも
〈安閑夜話〉 二枚のとりもも ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1913.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2020-06-01
コメント日時 2020-06-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 9 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 4.5 | 4.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
AB さん ありがとうございます。 つけ汁がしみましたなら あとは多めの油でパリッと焼いてください。 醤油 酒 ハチミツ 塩 砂糖 みりん 共感 中傷 否定 孤独 愉悦 みながおのおののつけ汁にからまりつけこまれ 鉄板のうえで肉汁を出したり抑えたりしながら 焦燥の強火で焦がしてしまわぬよう 豊潤なきつね色の時間を いただきます
0ごふごふごふごふ を 風が出てきたな から 飯が炊けたのだ に変換させる着眼点はさすがですね。これは強い。 そして、他人に語りかければ自分の内側を向くことになる。一方で、自分に語りかけようとすれば、馴染みの薄い自分がやってくる。視点の変化を交えながら、読者を巧みに混乱させていく思考も見事だと思います。 それで、ですよ? タイトルにもなっている二枚のとりもも肉からの後半が、わたしはちょっと読み取れなかったですね。もちろん、一行ごとに分ければ読めるんですけど。『そこにいたければいればいい』が、うーん、上手く繋がらないと言いますか。肝になる部分だけに、読み取れないのが悔しいですね。 お弁当屋の写真なんですけど、ずっと1人のお客さんを写した写真と思ってたのですが、店員さんでした。エプロンを着けていらっしゃいますし。そう改めて読むと、味わい深いですね。売る側と買う側の視点が違えば、受ける印象も変わります。
0千才森 万葉 さん 読んでいただけてありがとうございます。 晩冬や初春に よく日暮れて風が強く吹く晩が 多かったでしょう。 厳密に言えば米が炊き上がる時ではなく 炊き始めにごふごふお釜がいってるわけですが その音を窓サッシのスキマに通る強風の音に 素で勘違いした益体もない男の 日常なわけです。 “若いうちこそ他者に多く語りかければ 自分が何かを知る手がかりになる” “年をとったら自分に多く語りかければ 他者との無言の語らいができ 心の奥でつながる楽しみとなる” とは誰かが言った言葉ですが ならって自分にばかり語りかけているうち ふいにとりもも肉の声まで 聞こえてくるのでした。 「牛や豚はまだいい… 牛舎豚舎でちょっとでも歩き回れるだけさ。 おれを見ろ。うまれて出荷されるまで あの狭苦しい囲いに入れっぱなしで ひよこのときならいざ知らず このたくましく太いもも肉を使って ただの3メートルも歩けなかったんだ… この地面をだぞ。仲間もみんなそうだった。 何ひとつ物語れることがない。 あるとすればベルトコンベアにはさまって 首切りカッターに流れるまでの あの恐慌すら新鮮だったことぐらい… だから、おれのこの身がもも肉が 醤油や酒やみりんや塩や砂糖やハチミツの つけ汁に浸ったときの痛みや冷感の刺激や ぬめりですら おれには得難い感覚の喜びなんだ。 だから焼くまでもうちょっとだけ 我慢してほしいだけさ…」 そうか、とばかりに 無言でさらに振りかけてあげましたよ。 キムチペースト、マスタード ケチャップ、マヨネーズ、刻みニンニク おろししょうが etc.. 写真の弁当屋も いまや様変わりしてしまいましたが 弁当屋はけしてとりもも肉に 同情などしたりしないでしょうね。 あるのは同士としての紐帯と矜持でしょうか。
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