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竜の子
朝はかわらず 空にぶらさがり 妻は海の底あたり 光は矢 背は石 長々とのびる あくび けだるい おれは竜の子 なまぬるい世の隅 巻き付けた尾に力をこめ ふくれる腹を見つめ 妻も竜の子 今ごろ海の底あたりへ 赤い目をしてやっている 岩場の陰や隙間にまで 元気溌剌 そして夜にはおれを 今夜も おれは ただ 静観するのみ なまぬるい世を ゆらゆらとひとり 出掛けていく 集会場みたいな藻場 彼らも竜の子 竜の子同士 鏡を笑う 鏡を貶す 愉しい気晴らし 一時の 唯一の ゆらゆらとひとり 家路につく 月の光の優しい おだやかな 淡い天上へ昇り 蠢くような熱の火照り 妻が待っている
竜の子 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1020.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-08-03
コメント日時 2017-08-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
湯煙さま こんばんは。 結局のところ、メッセージが判然としないのです。竜の子にもプロがあるそうですが、タツノコプロで働く人を描いたのか、漢方薬になる竜の子が海中にいることを描写したのか、水族館での水槽物語なのか、描写が分からないですが、私の読解が足りないのでしょうか?気まぐれで書いたのでなければ、伺えましょうか。竜の子ではない、竜野欠伸は、ペンネームとして使用しているため、これらは私自身ではないことを明記しますネ。お返事待っています。
0*前後します。 竜野欠伸さんありがとうございます。元は以下のようなものでした。 空からぶらさがる朝。眠りの残る背のかたさを気にしつつやや大きめの欠伸をすると、海面から降り注ぐ陽の光の眩しさにおもわず、海藻に絡めた長い尾に力が入ってしまうのを、海馬は少々疎ましく感じながらふくらむお腹を見る。 海馬のお腹がふくれているのは妻との交尾によってできた多くの卵を入れているためであり、孵るまで海馬が守り続けている。妻はその間に海底へと向かい険しい岩石や泥地に付着するベントス、付近を漂うネクトンを補食し続ける。 妻は普段ベントスやプランクトンを求め穴に潜むものや隙間に隠れたままでいるものをも補食するため海馬は心配になるが、背鰭や胸鰭を震わせ静観している。この頃の妻は特に激しく交尾を迫るため海馬にとり辛い時期となる。 妻との交尾や重くなるお腹に落ち着かなくなると、岩礁近くの大きな藻場へと海馬は小刻みに体を震わせ生暖かい海をのんびり出掛けることにしている。藻場では互いのお腹を見せあう者達で溢れ、褒めたり貶したり賑やかに過ごす。 藻場での一時を楽しんだ海馬は月の光が射しこむ帰り道をゆらゆらと進む途中、お腹に熱が帯びるのを感じ始めると、その蠢く熱にうながされるように家路を急ぎつつ、生まれてくる子らを妻とともに祝福する姿をひとり静かに想う。 ・海馬‐タツノオトシゴ(seahorse) ・ベントス‐水底の岩 砂 泥に棲むもの 底性生物の一種 ・ネクトン‐岩や砂の表面から離れて暮らすもの ・プランクトン‐浮遊生物 水中を漂って生活する 小型甲殻類 魚類の幼生など 2013年一月のものとなります。文極を参照してください。 私もお名前を見て、あらすごいグーゼン、と少々お熱くなりました(笑。 メッセージ云々ではなく、寓話になりますかね。私でもあり竜野さんでもあり、と、そんなところでしょうか。 ◆花緒さんありがとうございます。たしかにそのようですね。分身といったものになりますか。共同体へのノスタルジー云々といったものはなかったですが、描き方が甘すぎたかもしれません。
0タツノオトシゴの生態を読み、夫の役割はどこも同じなんだな、と思いました。 詩の方は男の哀愁がもう少し描かれていたら自分としては共感しましたが妻側はどうでしょうかね。最近腹が出てきたので早く脂肪を産み落としたいです。
0湯煙さん 原文再掲ありがとうございます。 優雅そうですが、生命の小宇宙を感じました。 繰り返しになりますが、私はタツノコプロの関係者ではありませんけれども、やはり、 きっとこれらは、滞りなく生命を巡る寓話としても成立するはずでしょう。 結局、曖昧なことになるのかー。笑。
0◆5or6さんありがとうございます。タツノオトシゴの姿から、視覚的なものから生態を知り興味を持ったのですが、そこからいろいろ思い浮かべてはと、そうしたものでした。そうですね。そのあたりも以前から気になっていまして、葛藤の様といいますか、加筆を考えたりしましたが。やはりといいますか、指摘を受けるようですね。妻の側についてはこちらもやや弛み気味かなと。脂肪が悪いというわけでもないですが。嗜好も変わるのかも知れませんが。 ◆竜野欠伸さんありがとうございます。 タツノコプロは懐かしいです。ヤッターマン世代ですし。そうですね。ふわふわと、海の世界の中で生命の神秘といいますか、暮らしぶりからまた様々に示唆を与えてくれる存在として。小さな宇宙を求めて戯れた作品なのかもしれません。
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