ぬかるみに着いた足跡でさえ
結構キレイに見えるのは 僕が
実在証明なんて探していたから かも
そいつは宛先不明で 誰に届くかも分からない奴
君は被害者で僕は加害者
多分そうなの かも
実際は違ったとしても
それで誰も損をしないのなら
別にどうでもいいや
不在票がドアに挟まってたけれど
もう僕はそこに住んじゃいないから
荷物はどうやっても届かないよ
っていうか もともと僕は
そこには実在なんて してなかったのかも ね
--熟れたメロンは僕には贅沢だから 今日はジョナゴールドくらいが丁度いい 飲み物もカルピス 飛びっきり濃い目のカルピスぐらいに留めておくよ パスタもそろそろゆであがるみたいだし このお喋りも切り上げなきゃ
僕は ≒僕 であるのをやめたから
ちゃんと手続きをして失業保険ももらわなきゃ
みんなバタバタしてるな
彼らも証明書を探してるのかな?
景気もそりゃじき良くなるよ
--憎しみとかそういうのは比較的どうでもいいから 部屋の荷物を片づけてお引っ越ししなくちゃ うん 僕が住んでたのは奄美でも天草でもましてや軽井沢でもないから 実はどこにでもいけるんだ おっとまた喋りすぎたね
那覇 国際通り辺りで僕に会えるよ
今年の夏は暑くなりそうだ
君はまだ色々用事があるみたいだけど
僕は一足先に
それじゃあね また
作品データ
コメント数 : 15
P V 数 : 2461.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 12
作成日時 2020-05-10
コメント日時 2020-06-18
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 10 | 10 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 12 | 12 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 5 | 5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:2461.5
2024/11/21 20時54分29秒現在
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ライトレスで恐縮ですが、とりあえず、まず >那覇 国際通り辺りで僕に会えるよ がとてもいいと思いました。やや突き放すような姿勢、え?どっか行っちゃうの?という状況から一転して、あ~よかった、という安心感があります。まあよく考えると情報少なすぎて意味ないんですが、そういう煩雑なリアリティ度外視で、この一行で成立していると思います。読後感もさわやかでした。芸術の中の夏はいつもさわやかで、その効果かもしれません。 こうしてみると、 >ぬかるみに着いた足跡でさえ はかなりぼったりと重たい印象で、最初と最後でこの詩に対するイメージが正反対になるように作られているとわかりました。これは意外と気が付きにくいかもしれない! また、じつは >そいつは宛先不明で 誰に届くかも分からない奴 この一行でさっそく混乱しましたが、逆に言うとキーになっているようです。ようするに実在証明は、実は送り主が一方的に送り付けるだけのものだということです。自発的に見出すものだと勝手に決めつけて読んでいるとここでおかしくなるので、よくない。 不在票を見つけたときに、もっとずっと大げさに「そこには実在なんて してなかったのかも ね」と言ってしまう、ここには、自らが確信していた実在証明が嘘っぱちであったことに対する失望とか、諦念みたいなものが込められています。「僕は ≒僕 であるのをやめたから」はそういう意味で、しょせんひとから与えられる「≒」にはどうやっても納得できるわけがない、と言っています。 ちょっと難解なイメージだったのですが、眠いからかもしれません。明日もう一度読んでみようと思いました。
1この作品、かなり良いですよね。後ほどちゃんとした感想書かせてもらいますが、取り急ぎ。 めっちゃいい。
1いすきさん、コメントありがとうございます!そうなんですよ。この詩で具体性というかある種の輪郭がはっきりするのは、那覇国際通りの一節なんです。ここは効果的でしたね。沖縄は幼い頃住んでいたのですが嫌な想い出がほとんど残っていない。こう云うと凡庸ですが、沖縄は僕にとっての楽園なのかもしれません。「≒僕」であるのを辞めたら、そうだね、沖縄にでも行こうという詩にもなっております。僕自身にあるいはいすきさんの仰る「人」に決められた「≒僕」であるのを捨ててという。そんな詩にもなっていますね。
0左部さん、お久しぶりです!めっちゃいいですか!ありがとうございます。取り急ぎでもそう伝えたくなるほどの出来映えになって自分でも嬉しいです!左部さんの云う「ちゃんとした感想」の方も楽しみにしております。実は「いや、めっちゃいいよ」ってコメは左部さんのような書き方になると僕に激喜び状態を与えてくれるんですよ。ありがとうございました。
0stereotype2085 様 ご無沙汰しております。 あれから「ちゃんとした感想」を考えたのですが「ああ、やっぱいいな」という感想が一番合致しているなと思いまして再度コメをつけさせていただきます。何でしょうね、「『ちゃんとした感想』の方も楽しみにしております」と書いてくださっていて非常に申し訳ないのですが。追記するなら、この作品はやっぱり「めっちゃいい」し読んでよかったです。他のユーザーの感想も聞きたいくらいです。他の人にも読んでほしい。
0もの凄く軽やかだなと思いました。そして、高みから見ている。不在票は実際に見えているのではなくて、ヴィジョンで見えている感じがしました。つまり神めいた視点。その感覚で最後に来ると、えっ、死んでしまうのだろうか、あるいは死んでしまった僕からの手紙なのだろうかと、ふと思ってしまう。でも、具体的な飲み物や食べ物や地名または失業保険が存在していて、そんな物騒な話ではないようにも思う。けれど、そうしたものをすべて象徴として読み替えて、あちらへ旅立つ人のメッセージと私は読みたくなりました。そんなとんでもない軽やかさを感じるのです。
1爽やかですね。読んでるこちらまでちょっと前向きになれた気がします。 >僕は ≒僕 をやめたから >ちゃんと手続きをして失業保険をもらわなきゃ が好きです。
0左部さん、再度のコメントありがとうございます!「ああ、やっぱいいな」が合致する。最高じゃないですかっ。それは。読んでみて気持ち良くて心地よい。やっぱりいい作品だ、と思われるのはまさに詩書き冥利です。左部さんが再コメしていただいたお陰かどうか更にお二方からもコメをいただきました。感謝です。
0白川さん、コメントありがとうございます!そうなんですよ。白かわさんのご指摘の通り、この作品はあちらへ旅立つ人のイメージも帯びてしまったのです。ですがそれは僕にとってマイナスではなく、次の創作ステージへ向かう上での確認事項にもなったのです。浄化された魂は沖縄へ、肉体は元いた場所へという構図になったとしても僕自身はとてもこの作品に満足しています。
0杜さん、コメントありがとうございます!前向きになれる作品を書けて良かったです。 ≒僕 を辞めても 失業保険はちゃっかり貰うという構図はとても面白くて僕も好きです。ありがとうございました。
0笑 那覇かあ なんだかディテールが背景にあるポエムだね これもうまく言えない系のやつ うまく言う必要もないかもしれない 俺はどっかに行っちゃうんだから 俺は新しい俺になるんだから という内容の軽やかさが 意味みたいのを超えて 人生のカオスを逆に表現してるみたいな グレイトとかファンタスティックっていうよりは fineって表現がぴったりくる 佳作!
0Fantasmaさん、コメントありがとうございます!意味を超えて人生のカオスを。嬉しいです。ありがとうございます。今詩のスタイルあるいは詩に書くべきことを大幅に変えていっているので、評価いただけて嬉しいです。佳作か!残念っ。では次はグレイトorファンタスティックを目指したいと思いますっ。
0地球さん、コメントありがとうございます!何度も読んでいただけているとのこと。とても嬉しいです。そうですね。この詩の主人公、話者は前にもお話したように限りなく僕(けいせいさん)に近いんですけど、この話者の方がもっとひたむきさを凝縮しているのかもしれません。それが一所懸命歩いていく姿となり、憎しみや怒りを削ぎ落した涼しげな姿へと変換されているのかもとも感じます。それがまた清涼な読後感をも生んでいるのだと思います。ありがとうございました。
1この詩とても好きです 最初 少し切ないようにも感じたのですが その印象の濃さが絶妙に淡くて 語り口調の部分も爽やかなのだけれども その明るさもまた不思議と丁度良い感じで けれど一番印象的だったのは 作中の所々の スペース(空白)の 箇所です あるべき場所にその空白があることによって その空白がただのスペースではくて まるでなにかを語りかけているようでした
0リンクスさん、コメントありがとうございます!先日のキャスで朗読したのが功を奏したのでしょうか。リンクスさんの胸により一層響き幸いです。空白のスペースはご指摘の通り意図したもので、最近試した技法の一つであり、寂しさとともに深い余韻を残そうとしたものです。言葉に出来ない部分を表現したと言えばいいでしょうか。とにかくもリンクスさんを今一度刺激出来たようで良かったです。
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