口ほどに蝶 - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

口ほどに蝶    

角膜の剥がれるように羽化の滴が伝う 硝子戸に透けた翅として冷たく瞬き 唇ほどに物を言うモノクロ。 ●蝶/ㅤㅤㅤ ㅤㅤㅤ /○蝶 気の狂れた四月の仄あかい月 交尾のように緩慢な時流のとろみに 沈黙の背中が裂けている。 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤ(未声) ㅤㅤㅤーーPantomimeーー ㅤㅤㅤㅤㅤㅤ(未成) 柔らかくされた幼年期が臼歯で潰れた 匂いが酒精へと転写されてゆく、なんて 花のように残酷な時間から醒めて、 もう、行方知れずのアサギマダラだ。



口ほどに蝶 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 1786.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 4

作成日時 2020-04-11
コメント日時 2020-05-18
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/17現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性11
可読性00
エンタメ00
技巧11
音韻00
構成11
総合ポイント44
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性11
可読性00
 エンタメ00
技巧11
音韻00
構成11
総合44
閲覧指数:1786.2
2025/04/17 09時54分09秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

口ほどに蝶 コメントセクション

コメント数(2)
なゆた創a.k.a.NORANEKO
作品へ
(2020-04-27)

小林素顔さんへ 丹念な読解と批評、まこと冥利に尽きます。 本作はいわゆる現代詩的なイメージの連鎖のなかで書き出したもので、作者自身の意図のあまり介在しない作品ではあります。 ただ、いみじくも素顔さんがおっしゃる「自身の変化の痛み」というのは本質を突いていて、この詩を書いているとき、自分の中の曰く言い難い存在の痛覚のようなものに指先を這わせるような書き方で詩に結晶化しました。なので、特定のメッセージはないものの、さりとて空疎な言語遊戯というでもなく、言葉にならないものを言葉にならないまま詩文に流し込み形象化したというのが正しいです。技巧や詩論はなるべく参照するよう努めていますが、本質的には感覚タイプです。 視覚表現のイメージ意図を読み取っていただけたのは嬉しいです。詩文の空白に浮き上がる音と形を意識して、内容的なつながりを持たせるものにはしました。 幼年期を噛み殺しながら新たな羽化を迎えようとする屈折した欲望はたしかに私のものと言えるかと思います。詩を人に読んでもらうことは、己の臓腑を晒すものだとあらためて感じ入ったしだいです。

0
stereotype2085
作品へ
(2020-05-18)

完璧。ほぼほぼ完璧。少なくとも僕はこの作品に難点を見つけようとは思わない。あらゆる詩句が予想外の繋がりを見せながら不自然なところがこれまたほぼない。コメントしようしようとして躊躇していましたがここに来てようやくコメント出来ました。美しい。○や●を使ったりという実験的な試みも絵画としての詩あるいは絵画的な詩の中に絶妙に取り込まれている。「口ほどに蝶」というタイトルも素晴らしい。良かったです。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2