子羊たちのスマホを撫でる - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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子羊たちのスマホを撫でる    

お花が咲いている 地球のまるさすら感じられるような草原の 肋骨の切れ端から鎖骨まで そして腕まで続く長い道のりを経て 彼女の持っていたスマートフォンを撫でる ・しののめ、に、写っている顔は私のものですか、違いますか、違うならなぜ私の顔は、あなたのものですか? 私の、ものなのですか。 ・精液、で作られた湖があるって、本当ですか、そこでは、壊れきった傘にすら受胎告知されるというのも、本当ですか? あれっ、嘘なんですか? 誰かに会いたいですか? ・星空から感じるブルーライト、の既視感はいつも1人のままですか? 原生林、で私たちの声が反射して、その内容が聞き取れないくらいにぼわんぼわんと爆発した時、私たちの恋バナは美しい響きに昇華されますか? (田舎の中にある、  (その井戸の中にある、   (その棺桶の中にある、    (その私の中にある、     (その心臓の中にある、      (その右心室の中にある、 500万円の在り処を知っていますか、 私、あれが、欲しくてたまらない 緑だけ1人だけ、の、景色に自生する大麻、が欲しくてたまらな、いのです たのしいです お魚が泳いでいる あなたたちが全部誰かの手紙だとしたら たぶん殺害予告が流れ着くのも時間の問題だから 私、警察を呼ばないといけなくなる ・ここでは、110という信号は、そのままSOSに変換されて光回線のコードの途中で眠っている。死体みたいに動かない、あっ! 死体は動くか? ・母の体より暖かいハーブティー、の合成着色料は、この海から採取したものですか、それともあなたの皮膚、を潰して集めたのですか、オエ、気持ちが悪いです。 ・私たちの生活に流れ着く、水、は自分が凡庸であることにコンプレックスを抱えているそうです。周りの奴らより少しでも秀でようと津波を起こして、果てしない空、とかいう奴に触れたヤツが勝ちだそうです。そして私はこれを知っているので、あなたよりも賢いです。 ・宇宙が実は有限で、円周率が実は割り切れて、私の爪を埋めたところに育ってきた草木は故郷を懐かしみますか? 雲? 私は、綿飴の方が美味しいと思うし、優しいと思うし、大きい? 水平線が誰かに飼育される世界になりました 雲が自分の不自由さに抗議する 草花が避暑地へと逃げてゆく 星空が落下し、可食となる、あらゆる水溜りを破壊する 誰もが私を飼育する世界になりました 草原、肋骨の切れ端から鎖骨まで、 舐めると、小さく喘いで、 それが嫌だからって目を瞑ると羊が飛んでいるから 少しだけ現実に戻って? 子羊たちのスマホを撫でる あなた本当に生きてますか 生きてない方が俺としては嬉しいよ (いつまでも言い訳ができるから) 何かが突っ走った、私たちの住む(潜む、飼育される?)よぞらは、少しだけバグ っていて、何かが突っ走った。呼吸をした動物たちすべて、の飽和する美しいテクスチャー よ 【文字化けしてゆく彼ら彼女らの姿】 テクスチャー たちよ


子羊たちのスマホを撫でる ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 13
P V 数 : 2126.7
お気に入り数: 3
投票数   : 0
ポイント数 : 128

作成日時 2020-04-11
コメント日時 2020-04-18
#現代詩
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性123123
前衛性11
可読性11
エンタメ00
技巧22
音韻00
構成11
総合ポイント128128
 平均値  中央値 
叙情性411
前衛性0.30
可読性0.30
 エンタメ00
技巧0.71
音韻00
構成0.30
総合42.73
閲覧指数:2126.7
2025/04/11 22時30分42秒現在
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    作品に書かれた推薦文

子羊たちのスマホを撫でる コメントセクション

コメント数(13)
Um Fantasma
作品へ
(2020-04-11)

あっこれは力作やね 現代詩チックや 構造も気配りされてる 個人的な好みとしてはいかにも詩的な単語が多いことが気になったけど 日本語としての制度から逸脱しようとしてる系のやつ

0
夢うつつ
作品へ
(2020-04-13)

ありがとうございます。「いかにも詩的な単語が多い」というの、確かにその通りですね……、自分でもあんまり良く無いなと感じます。新しい気づきをありがとうございました

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ばかもの
ばかもの
作品へ
(2020-04-14)

自動翻訳したような文節や語尾が、少しだけバグっているという一節に集約されているように感じられて、腑に落ちました。 テクスチャが解けていくような世界観と浮遊感が楽しかったです。ありがとうございました。

0
渡辺八畳
作品へ
(2020-04-14)

ちょうど「羊たちの沈黙」を観終わったところだったので読んでみました 途中「精液」という単語が出てくるが、これが無かったとしてもエロティックな詩だっただろうなと思う。というのは、この詩は身体表現と情景描写があり、ことごとく情景が身体へと流入している。パーソナルな領域が無くなり、全てが情景ーパブリックになってしまっている。エロとはつまり人間の中身がありありと見えてしまっている状態のことなのだろう、ならばこの詩はすんごくエロティック。

0
ほば
作品へ
(2020-04-17)

自意識過剰と自己嫌悪の悲しみと気持ち悪さと、清々しさが入り混じり自分を見失っているのにそれなりに書けてしまうから形になってしまっていると感じました。筆致は丁寧なのだからもったいない。最後のテクスチャー、つまり質感、この詩の全ての情景はスマホの画面の質感でしかない。もちろん、それが今の時代でそういうものかもしれませんが。質問を繰り返して引き込むのは上手い。主格が時折、交錯して転倒した気分になる。その倒錯した転倒感はふわふわとした空気を作っていて書ける方だとわかる。 しかし、詩としてそれ以上を書いているだろうか?読み手が勝手に何かわかった気になるだけではと疑問が残る。それを目指したのだとしても、その先で何か書けるのかを見守りたい作品です。

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夢うつつ
Um Fantasmaさんへ
(2020-04-17)

あざます。日本語から逸脱がしたいです、具体的には、ペンギン語、といったかんじに

0
夢うつつ
夢うつつさんへ
(2020-04-17)

あっ おれは同じ人に気づかず二回レスしてしまった馬鹿です すみません

0
夢うつつ
ばかものさんへ
(2020-04-17)

あざます 浮遊感があったのは嬉しいです バグの件はそれなりに意識しました

0
夢うつつ
渡辺八畳さんへ
(2020-04-17)

あざます 最近詩を書くとたまに「エロい」という感想を得ることがあって、なんか分かんねえなあみたいな感じだったんですが、それが人間の中身が見えている、情景と身体がシームレスとなるということでしたらメッチャ嬉しいですね

0
夢うつつ
さんへ
(2020-04-17)

あざます 詩人に物申す系の詩が書きたかったので、生意気と言われればマーーーーーーーそうですわな、と思ったらちょっと違う意味の生意気だそうで。まあ、何を書いているのかというと、今まで詩人たちに持て囃されてきた自然という存在の解体がしたかった。多分失敗しています、レベル不足です。

0
夢うつつ
ほばさんへ
(2020-04-17)

丁寧に読んでくださってあざます 「この詩の全ての情景はスマホの画面の質感でしかない」この一文をもらったのはスゲー嬉しくて、おれはそれが全ての詩に適応されると思っています そんで、結局自然とか、そういう大きな物語の不文律的美しさに詩の美しさを委ねるような詩人にはなりたくないなと思うわけです まあ、この詩ではそれがぜんぜん体現できてないので、この先で何が書けるか期待してください 多分なんか書くから

0
ほば
夢うつつさんへ
(2020-04-18)

大きな物語ですか。不文律的な美しささからの脱却というとポストモダンみたいですね。小さな物語ですね。しかし、まぁ、ご自身いわくこの詩では何も築けていないそうなので0からのご出発は大変だ。少なくともすべての詩に適用されるとは思いませんよ 笑。たぶん、それぞれ質感は違うでしょう。紙に打ち出して読んだだけでもかわるよ。まぁ、冗談は置いといて真剣に物申す作品お待ちしています。

2
夢うつつ
さんへ
(2020-04-18)

おれは今回の詩を書くときに、すくなくとも「・」で羅列された部分は「とりあえずなんか"詩っぽい"文」を書こうとしていて、それがあなたにそういう印象を与えてるのかもしれないけど(理由を言ってくれないからこちらで推測するのは許してね)それでおれがしたかったのは、前のコメントで言ったことへの軽い匂わせと、またその文たち自体は特に意味を持てないことを示したかった、だからこそ「・」でくくったし、文法を壊したつもりでした。 だからこれらの文は何も語らなくていいし、おれはこういう文が本来語るべきであった物語を忌避してるのは帆場さんへのコメントで言いました。でも今これを書いていて思ったけど、それが多かったな、あまりにも多かった。もっとシンプルに纏められそうなんでいつか書いてきます。

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