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求め人
とっぷりと夜は更けていきますとふと 煩わしく思ってしまうのです。 照明もテレビの音、りんとなく虫の声 うるさくて うざったくて 不必要に思え、そして何か責められているような気がする その全てを消して、私は部屋の真ん中に…いいえそんな恐ろしいことはできません かつては白かったはずの壁、薄黄色に汚されたそれに背中をくっつけて 梱包されたように縮こまって項垂れます。 実体も正体すらなくともべったりと世界に充満する黒塊 まとわりつく夜闇を払おうと四肢を忙しなく動かそうとも虚しく空を切る 底すら見えない鍋。 焦げ付いてへばりつく。 そこに私は存在しない。 それを不安に思えども同時にひどく安堵する。 たまにかき混ぜたお玉の先が触れることでその人が微かに気づく異物のような自身。 それが今であり現在である私 探して、求めて、手を伸ばして あなたに会いたい、触れたいと。 その声で安堵して その言葉に喜んで その指に触れて触れられて 私は救われる。 浮遊する私自身ですらわからないその境目を確定してくれる。 まるで絆のよう、繋がるよう、そして鎖のように絶対的な存在。 求め、求めてくれて、求め合い、やがては隔たりすら融解してやがて一つの人間にしてくれる。 そんなあなたは一体どこにいますか? ……本当にそんなのいるのかしら
求め人 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1494.4
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 13
作成日時 2020-04-05
コメント日時 2020-05-02
項目 | 全期間(2024/12/04現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 6 | 5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 3 |
総合ポイント | 13 | 10 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合 | 6.5 | 6.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。視覚的にすっと入ってきて、読みやすく、所々にひかる表現があるなと思いました。 >私は部屋の真ん中に…いいえそんな恐ろしいことはできません 誰もが感じることができることでありながら、なかなか実際に想像したり言葉にしたりすることのない行動をうまく扱われたと感じました。 また、一連目の一種妄想的な世界、二連目の抽象的な世界、三連目の具体的な世界という展開の仕方、それぞれの雰囲気のつくり方が面白いと思いました。ただ、三連目に多くの具体表現があることで、やや物足りない終わり方になってしまうようにも思いました。
1絶対的な存在、神を希求して居るのかもしれませんが、もっと具体的な物キリストやマホメットなどを希求して居るのかもしれません。最後の行の懐疑的なセリフは、探求の末と言うよりは、思弁に勝ってしまった、素朴な疑問と言った感じです。懐疑が積極的な物かどうかは分かりませんが、救われる私は恐らく、確定されていない、そう思われるのです。
1小説書き123456さん、こんにちは。運営のふじりゅうです。 ガイドラインに明記されている通り、また本サイトにも明記されている通り、本サイトは合評文化を推進するサイトとして成り立っており、「投稿したら合評活動には積極的に参加すること。他人の作品は読まないしコメントもしないが、自分の作品にはコメントが欲しい、というフリーライドは歓迎しない。」の文面に同意されたことを大前提としております。 しかるに、初投稿より1年間に渡って作品を投稿され、様々なコメントが御作品へ付与されたと理解しておりますが、未だかつて何一つそれらに対して返信をせず、何一つ他者の作品へコメントをしない形を貫いていらっしゃり、上記文面に同意されたとは全くもって考えられません。 現代詩投稿サイト及び文章形式の作品投稿サイトは当サイトの他にも数多く存在しており、なにゆえ当サイトに対して長きに渡って投稿を重ねておきながら当サイトのステートメントと相反する行為を行うのか、理由が分からない状態であります。 当サイトの如何なる連絡媒体を使用しても構いませんので、上記に対するお考えをお示しください。本件忠告後なおこちらへのご返信+レッサー活動を行う姿勢が見受けられないようでありましたら、然る処分を致します。ご返信お待ち致しております。
0こんにちわ小説書き123456です。 ご指摘の件についてお答えします。 他作品のコメを書かない件については頻繁にとは言いませんが読んではいます。ですが小説等の物語と違い、詩という文章自体を味わう、もしくは言葉の流れやテンポを楽しむ(あくまで自分なりの詩の読み方ですが)ことに対してどう感想を書けばいいのか?ということで書きあぐねていました。もちろん好きに書けばいいと言われるかもしれませんが、(自分から見て)詩特有の楽しみ方に対する言葉をどう組み立てて他者の作品に声をかければいいのか?それは同じ詩作者に対して誠実なことになるのか?トンチンカンなことにならないか? と考えているうちにだいぶ時間が経ってしまったのです。 自作品へのコメは書かないのも他作品へのコメをしない状況で自作品へのコメだけに返信するのも何か違うと思って書いていませんでした。 とはいえ今回直接このようなコメをいただいた以上はよちよち迷いながらもなるべくコメを書こうと思います。
1同意して頂き恐縮です。私自身もコメントを書くということは難しく思う時が多々あり、仰ることわかります。 他方、詩誌などと違って手軽に作品へ感想/批評が可能であり、筆者のレスポンスが手軽に受け取れる、及び作品へ手軽に感想を頂ける、つまり双方向のコミュニケートが開かれているサイトは珍しいと感じており、集落のような流れに入っていくことは一歩目が多少難しくても、二歩目からは楽しみに変わっていくことだと経験しています。是非とも、ご自身のペースで構いませんので、徐々にご参加頂けますと幸いです。
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