三つの本があった
*
猫の本を開くと
よんひきのねこがとびでた
あたたかくやさしいねこは
高い所に登って外を見た
遠い所の変化を捕まえた
しょうじきでやさしいねこは
炬燵の中でまるくなった
もふもふとほっこりとした
いさぎよくやさしいねこは
ばりばり爪を研いだ
ありとあらゆるものがけばけばした
せんさいなやさしいねこは
にゃあにゃあないた
ねこの言葉を教えてくれた
* *
犬の本を開くと
よんひきのいぬがとびでた
うつくしくやさしいいぬは
いつもかわらずそこにいて
身の回りを整えてくれた
きよらかでやさしいいぬは
部屋の中をぐるぐる回って
余計なものを教えてくれた
しとやかでやさしいいぬは
ご飯の間そばにいてくれて
話し相手になってくれた
いつくしみぶかいやさしいいぬは
わんわんないて
いぬの言葉を教えてくれた
* * *
人の本を開くと
男の子
と
女の子
がとびでて
手をつないで
どこまでも
お花畑を
ずっとずっと
わらいあって
どんなときも
手をつないで
はなすことなく
おどるように
たのしく
幸せを体現する
歌声で
ずっとずっと
終わらない旅を
輝く命のままに
二人は一人と一人で二人で一つだった
一つの心と一つの心で一つで二人だった
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1291.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 8
作成日時 2020-04-04
コメント日時 2020-05-03
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 8 | 8 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 4 | 4 |
閲覧指数:1291.6
2024/11/22 00時47分37秒現在
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ABさん、おお、コメントありがとうございます。 >なぜ、よんひき ずつにしたんだろう これは感覚ですね。 四ひきずつがしっくりきて、四ひきずつにしました。 ただ、あとで気づいたんですけど、 4(ひき)+4(ひき)+2(人)=10人=十人=住人 になるのかな?とか思いました。 ついでに言いますと、最後も 2+1+1+2+1+1+1+1+2=12ん=住人 と読んだりすることも出来るのかな?と思います。 (こっちはちょっと苦しいかもしれませんが) >なぜエデンの感じなんだろう 一つ言いますと、僕は、この詩でエデンという表現をしていません。 それでいて、ABさんは、この詩にエデンを感じられた。 つまりそれがどういうことかといいますと、ABさんがエデンを知っているということです。 例えば、こういうことですね。 目隠しをした状態で、口に入れられたものを、エデンだ、と感じられた。 人が、蜜柑の味がなぜ分かるか? 蜜柑を食べて、その味を知っているから。 蜜柑を知らなかったら、この甘酸っぱいものはなんだろう? グレープフルーツか? と判断します。 もちろん、1つの詩には多様な読みがあります。 そういう多様な可能性の中から、ABさんはエデンを感じ取った。 そういうことだと思います。 だから、ABさんはエデンを既に理解している。 なぜ、エデンと理解できるか? かつてエデンにいたか、今、エデンにいるか。 いずれにせよ、ABさんはエデンの住人だと言えると思います。 それは、ABさんの感じ取って、表現したコメントによって証されますね。 僕がこれはエデンを表現したものですと言う前に、これはエデンを感じますね、とコメント寄せていただいたんですから。 そして、これは楽園追放、失楽園を描いたものではないです。 楽園帰還、再楽園を描いて、祈りとしたものです。 >個人的には、けばけば がすき これは二通りの解釈ができますね。 一つは、ABさん自身に「けばけば」適正がある、というもの。 一つは、「けばけば」適正のある人が好き、という可能性。 前者で言えば、ABさん自身が、ありとあらゆるものをけばけばさせることが得意、そういう能力があるということ。 後者で言えば、けばけばさせるのが得意な人が好きということ。 後者の場合は、ABさん自身には、もっと違う適正があるのかもしれない。 例えば、ほっこり適正とか。 前者か、後者かを、判断するのは、ABさん御自身ですね。 >うまいなぁ、 ありがとうございます。 ただ、まだまだ実力不足を感じるのも事実で、本当は世界には、もっと沢山の「本」があるとも思うんです。 兎の本や、狐の本、狸の本、きりんの本に、馬の本、牛の本。 それこそ数多の本がある。 人生を注いでがんばって、やっと開けたのが、人、犬、猫、の三冊。 現時点ではこれが限界なので、これからもっと勉強をし直して、自分の可能性を拡げていきたいですね。 一緒に研鑽を積んでいきましょう。 * お便り紹介や、話、おすすめ等は、無期限休止します。 時流に乗って当面自粛します。 だけど、今は二つ。 どうしても困って仕方なくなった時は、ポケットの中をよく見てご覧。 ちゃんと飴は入っているから。 立ち直ってくれて、ありがとう。 あとは、生き直すだけ。 大丈夫、できる。 以降、期限を定めず自粛します。 * 今日がよき日になることを祈って。
0とても良いのに何かが足りない気がして、考えてたのですが。 形式的には、とどめの1行がない。初めに3冊の本があって、順に開いてますね。開いた3冊の本はどれも閉じてないので、これを最後に閉じれば、詩も閉じる形になります。バラッドに近い形式。 でも、そうすれば詩として完成か?というと、それも違うような。構成も言葉遣いも優れているとは、読んでいて感心するので、あと一歩が欲しいなと。
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