まばたきと まばたき の
あいだ
で
落としてしまった
たくさんの自
分のつぶが ひかりのふりをして
ぼ、、く、、から逃げ
て、海とよばれた
おおきな
水
のかたまりへと
くだっていく、ほかの、かつて
誰かだったつぶたち
をあつめて
ひかりしながら
夜が明けるすこしまえ
に
かぜ、を
撫でていた、あなたの
手つきだけ
いつか
なんども、真似したから
くせになって、
なくなりそうなぼ、、く
に、名残して
いる
から、おとしたもの、手で、さがして
はじめて
雪をみた四歳の日、も
あの川でかれとなげた小石の
おもさも、
あのひと、の、最後の日
にカーテンをあたためた日差し も、
こぼれて、おちて
しぜんはけれど
ぼくの破片
たち
を ぶんかいするのに
くるしむから
ひかっているその
肉片、食べてしまった
魚たちがえらをつまらせて
たくさん、死んで
いくだろう
いつか目も見えなく
あたまも止まった
ぼくだったなにか、が、
手さぐりで海にふれるとき
かつてぼくしていた
ひかり
せいざのように結んで
ぼくの妹 が
生まれる、ことになる
そのとき
手のぬくみは
どんなにあなたに似て
どんなにあなた、か、ぼく、
いないだろう
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 2157.7
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 6
作成日時 2020-04-02
コメント日時 2020-04-09
#現代詩
#縦書き
#受賞作
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 6 | 6 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 6 | 6 |
閲覧指数:2157.7
2024/11/21 20時38分03秒現在
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うん、好きです。 なんだろうな、眩しいものを、眩しすぎるものをそれでも見ようとして、 目を閉じる限界まで細めて、 その輪郭が光で飛ばされながらも、影や反射からどうにかそれを掴もうとしているような。 だからこそ最後の二行がどすんと響きます。 いきなり色んなものの正体が(語り部の中で)見えてしまったようで。 最後の最後に、冷たい石のような鈍重さでのしかかってくる。
1たけだたもつさん、コメントありがとうございます。 「ぼく」が零れて、「ぼくだったなにか」になっていくなかで、それでも語り続ける、ということをするなら、こういう言葉にならざるをえないような気がしています。残滓のように記憶が漂っていて、それを漂う泡にたとえてくださったのを、興味深く思いました。言葉と言葉の間に浮いている、という指摘、ありがたいです。確かにどこかで、言葉以前の言葉を探しているようなところが、この詩にはあるように思っています。
0楽子さん、コメントありがとうございます。 非常にうつくしい比喩を批評として与えてくださり、ありがたいです。眩しいというのは真っ暗にも近く、そこに何かがある、ということを曖昧にしていくように思います。こういう崩れつつある言葉で、掴みえないながら、語っていく、という行為は手探りで眩いなかから何かを拾おうとする仕草に似ているのかもしれませんね。眩しいことが暗いことに近いように、「いない」ということもまた、「いる」ことと、完全に違いながらも、近い何かなのだと思っています。その「いない」から、何かが始まればいい、と願ったりもしています。
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