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水のような 詩人のような
この水槽に魚たちがいた (たくさんいた しかし今はいない (たしかなことだ なぜいないのだろう (ときにおもうこと 泳いでいた魚たち (みずのなかで 理由はわかっている (あまりはなしはしないが 食べてしまったからだ (はっきりはしないが どんな味がした (あまいのやあまくないものや なぜ食べた (うまそうだったからだろう その後どうなった (とけていった その後どうなった (にくやふんとなった その後どうなった (つがいができた その後どうなった (たまごをうんだ その後どうなった (たまごがかえった その後どうなった (たくさんになった その後どうなった (だんだんおおきくなった これからどうなる (どうなるのだろう これからどうなる (どうすればいい これからどうなる (そだててみようか これからどうなる (たべてみようか 水槽は残されている (のこされている 水槽は残されている (みがかれている 水槽は残されている (かげがよぎる 水槽は残されている (みずをいれる 水槽は残されている (およいでいる 水槽は残されている (のぞいている 水槽は残されている (みたしている 水槽は残されている (ゆれている 水槽は残されている (あふれている ( 窓の向こう 夜が明けていく かすかに風にふるえる 木霊する遠吠え 森に立ち昇る 一筋の煙のゆくえ 友人よ 詩のような朝に
水のような 詩人のような ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1968.8
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 29
作成日時 2020-04-01
コメント日時 2020-04-21
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 7 | 2 |
前衛性 | 8 | 5 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 4 | 3 |
音韻 | 3 | 0 |
構成 | 5 | 4 |
総合ポイント | 29 | 15 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.4 | 1 |
前衛性 | 1.6 | 1 |
可読性 | 0.2 | 0 |
エンタメ | 0.2 | 0 |
技巧 | 0.8 | 0 |
音韻 | 0.6 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 5.8 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
心地よいリズムです。 たぶん自分はこの心地よいリズムが続くことを期待し、 かつ ( でどう落ちが付くのかな、という期待感で読み進んでいたのだと思います。 その意味では最後で展開が変わり、構成上の意外性も感じました。 ( は友人との会話だったのでしょうかね。ささやかな幸福な時間を感じました。 あるいはその意外性の部分で、さらなる思い切った展開のバージョンなんかも面白そうに感じましたし、 そのまま真っ向勝負というのか分かりませんが ( で落ちを付けるバージョンも見てみたいと思いました。
0tOiLeTさん リズムは少しつけすぎた感じがあるかもしれませんが。また考えてみます。 対話形式となっていますね。話者について示されていませんが。 構造やオチについてもまた参考にしてみます。 ありがとうございました。
0どうしても先日まで働いていた牧場の牛たちを思いおこしてしまいます。 ある意味で牧場の牛も、水槽の魚と同じなので。 食われていなくなり、また育てるので。 最後の三連は水槽からの景色なのか、水槽を置いている場所の様子なのか。 もしや友人とは、水槽の魚か。 だとすると木霊する遠吠えは、聞こえない魚の声か。 一筋の煙は、火葬のように焼いた食べる魚の煙か。 そんなことを考えてしまいました。
0羽田恭さん 牧場でのお仕事はやめられたんでしょうか? そうですね。育て育てられた牛も魚も食べられてはいなくなりますね。 最後の連あたりからはややあいまいな表現になっているといいますか。そのあたりについてまたいろいろ探り検討は行う必要があるかと。つながりにくい感じにはなってはいるかと思います。参考にさせていただきます。 ありがとうございました。
0はじめは飼っていた魚を食べたというお話かと思いました。しかし、食べられた魚は「にくやふんとなった」……そしてたまごをうみ、ここで、明らかに食べたのは人間でなかったのだと気付かされます。では一体誰なのか?魚だろうか。しかし、彼はそこが水槽であるとなぜ知っているのか?そしてまた誰と対話しているか?動作の主体が徹底して隠されることで事態がどんどん複雑化していくようでした。一方で、形式的なまま会話は次々展開される。一部がぼかされることで、対照的にストーリーに引き込まれました。 わたしでもあなたでもない、「われわれ」とでも言いたくなるような漠然とした境界のない主体だけがここにある、とでもいうような、そして、ああそっか、やっぱり現実存在が全てに先立っているのだなあ、というような、そういうことをなぜか考えてしまう読後感でした。孤独な水槽のイメージがそう思わせたのかもしれません。
0寂寞とした情感が寂しくも心地よいです。水槽て結局は誰かが管理していてこそ成り立つと思えば、この僕たち自身がそのようにみられていたりするのかもしれないと思いました。窓の向こうが水槽の外かもしれない。立ち昇る煙りはどこに漂ようのか、燃えているのはなんだろうか、とうまく読めないながら楽しませてもらいました
0• いすきさん そうですね。曖昧なまま進むものにしたかったのだと思います。何かが起こったようだけども一体何だろうかと。頭から説明的にすぎた作品となってしまっているかとも思いますが。 ありがとうございました。 • 帆場 蔵人さん はい。あえて説明などは致しませんが、何か契機となるような事象についてになるのかと。 最後にあります、煙の行方や遠吠えや友人云々の件はやはり不必要か短くすべきかと思いました。 ありがとうございました。
0はじめまして。 最後の“友人よ 詩のような朝に”という 表現が心に刺さりました。
0こんにちは。声の響きが後を引く幻想的な作品ですね。誰によって何が語られているかが見えそうで見えない、その見えなさが魅力になっているようにも思います。
0構成がいいと思いました。 言葉も、それの使い方も、段組、行間、全部がとてもいいと思います。 久しぶりに言葉も出ないほどの作品に出会えました。
0• フィフティー(石嶋ユウ) さん はじめまして。 最後の連については、やはり冗長にすぎたようにも思います。つながりを切るようなものになってしまい。 ありがとうございました。 • 藤 一紀さん はい。おそらくそうした境界のようなものを曖昧なままにといった感じでしょうか。音や像については意識的になされたものかと。 ありがとうございました。 • 五木 國重さん はい。全体としてはそのままといいますか、分かりやすい記述かと思いますが、これについてはまた考えるべきかとは思います。タイトルも含めてですね。 ありがとうございました。
0読み始めてすぐに、いいなと思いました。とても静かな雰囲気。朗読してもきれいだろうなと思いました。「その後どうなった」以降の連続は、意識変容へと誘うような効果があるかもしれないと感じました。
1白川 山雨人さん 朗読についてはとくに意識はしていませんでしたが、リフレインの効果について意識をしたところはありました。変容ですね。ただやはり主題や形式を考えますと、やはり饒舌過ぎたかと思います。はい。 ありがとうございました。
0初めましてです。技術云々の細かい事は、アホな私には分かりませんが、率直に食物連鎖を通しての現代の社会競争、それに対する優しい弱音の様に私には見えました。 複雑でない分、心に浸透しやすい。読み手にほのかな感情の揺さぶりをかけている演出が、良い意味で難いと感じます。
0野良犬少年さん スキルなどは私もよくはわかりません。あくまでこれは素描のようなものと理解します。 どのように発展、改良させるのがよいか。いろいろ思うところはありますが、複雑なという方向ではないだろうと。 ありがとうございました。
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