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握られた胸ポケット
君のために傘をさしてあげる 僕の片側がびしょ濡れでも 君を雨から守る 君のために車道側を歩く 僕が車と接触しても 君を事故から守る 僕の片側が濡れて芯から冷え 僕の片側が血と膿でまみれ それでも僕は笑顔でいられる 僕は綺麗なままの片側しか見せない それは君がこっちを向いて笑っているから 君がこっちを向かず 別のとこを向いて笑ったら 別のとこを向いて笑ったら 僕は傘を捨て 君が進む逆の道を歩く 君に雨と車の存在を気付かせる そして隣にいない僕を目で追わせ その目に雨と血と膿でまみれた片側を見せつける 来てほしい でも来てほしくない 僕の顔は涙でまみれている 心臓が痛く、全身に力を入れ 胸ポケットを握っている
握られた胸ポケット ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 788.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-08
コメント日時 2017-07-21
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はいはーい。 比喩なのは重々承知のうえで申し上げます。 人ひとりを護ろうとするのに、半身だけでは全然足りません。 全身全霊で護ってください。 そうしてはじめて、自分の力が人ひとり護れないほど、微々たるものであることに気づくはずです。 それと、相手はそうされることを、必ずしも望んではいないことも。 語弊を怖れずにいえば、この詩の語り手(作者のこと云ってるんぢゃないですよ、念のため)は一途で愚かです。 嫉妬深く、まだ浅さも傲慢さも感じる(ふじさんの事じゃないですからねー、あくまで「僕」の事よっ)。 でもそんな本気が、人を成長させるんだよなぁ、とニヤニヤしながら読んでます。
0「握る」。小さな子が母親のスカートの端を握るのは何か不安なことがある時。 「君」は涼しく笑っているのでしょうか。 「君」にはっきりとした像がないのでよく分かりませんが、居なくなれば目で追う、のでお互いに依存した関係なのでしょうか。 恋人同士というよりは、冒頭にも書きましたが、小さな子が母親に抱く気持ちに近いような気がします。 成長の流れとしては、思春期頃に猛反発をして(猛反発枕ですね)そうしたものを切り離すようですが、、、男の子が母親に優しいというのは、うちでは神話になりつつあります。私事で失礼いたしました。
0〈僕の片側が濡れて芯から冷え 僕の片側が血と膿でまみれ それでも僕は笑顔でいられる 僕は綺麗なままの片側しか見せない〉この連の迫力と、次の連の 〈それは君がこっちを向いて笑っているから 君がこっちを向かず 別のとこを向いて笑ったら 別のとこを向いて笑ったら〉このリフレインの怖さに惹かれました(というのも、変な言い方ですが。) 一二連のリフレイン(三行ずつ)の定型的な安定感と、一気に反転する中盤、そして中盤を挟んだ三行、四行、の連・・・この四行の中の〈来てほしい でも来てほしくない〉は、三行ずつ、~る、と脚韻を踏んだ定型の枠に挿入された、ひそかなつぶやき(自ずから漏れた心の声)のように感じます。 最後の二行、離れた場所から〈君〉を、心臓をぎゅっと緊張させながら見つめている・・・ここで、〈来てほしい でも来てほしくない〉の心の声が響いてくる。〈僕〉が、近づいてくる(かもしれない、来ないかもしれない)〈君〉を、じりじりしながら待ち受けている、その時の夢想が、作品として文字化されている。そんな構成になっているように思いました。 君、が、もし、僕、を愛してくれたら。僕は、限りなく優しく美しく綺麗な面を、君に見せるだろう。でも、もし、君に拒否されたら・・・僕は、どんな残酷なことを(君に対して)しでかしてしまうだろうか?そんな、自分自身の未知の領域に、足を踏み入れようとしている、そのことを恐れつつも心待ちにしている・・・そんな思春期の心理を活写しているように感じました。構成もこなれていて、良作だと思います。
0角田様 コメントありがとうございます。ふじみやこと申します。 一途で愚か、仰る通りだと思います。 全身全霊で踏み込む勇気がまだ持ててない、そのような感覚が 根底にあり、半身という形になりました。 踏み込んでみて、また違う景色を見る意識を持ってみようと思います。 コメントして下さりありがとうございました!
0紅茶猫様 コメントありがとうございます。 どこか依存している、そして依存してほしいような、 どこか欠けているような、温かく充実していない感覚がありました。 そして、自分が依存することをやめたいとも思い始める感覚も生まれるような。 読んでみると、深層に愛がたくさん見てとれる神話であるような気がします笑 コメントして下さりありがとうございました!
0まりも様 コメントありがとうございます! とても嬉しい気持ちでいっぱいになりました。 恐れつつも心待ちにしている、正にそのままの気持ちです。 自分の詩を客観視できるようなとても良い機会をいただけました。 コメントして下さり本当にありがとうぎざいました!
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