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死にたがりのパトラッシュ
「僕を殺してくれ」 そう、君が言った 体は飢えに支配され 見上げた絵は酷く美しい 見とれた夢は消えようとしていた 「ほら、さっさと殺してくれ。僕は死にたいんだ」 そう、君が乞うた 教会の鐘が鳴る 見据えた何かを悟ったかのよに ユラリユラリと影のよに 「早く、速く僕を殺して。そして食べておくれよ」 速く速くと急かす声 犬が話すという現状に 彼は気付くのが遅かった 彼は笑う 最後の時を目の前にして 遠く遠く息を吸った きっと空は快晴だ 「_______死ぬなよ、パトラッシュ」 「どうしてもっと早く殺して、食べてくれなかったのさ」 鳴り響く遠吠えと共に 舌を噛み切る彼 彼等の願いはもう一生、叶わない
死にたがりのパトラッシュ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 808.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-07-03
コメント日時 2017-07-05
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ご苦労様です。 キリスト教的なあの話、旧約続編のようなあの話は殉教と言えますよね。 早く、速くの使い分け、誤字であっても意図的であっても、切迫を感受できました。 ありがとうございます。
0〈そして食べておくれよ〉この一節から、まるで世界が変わって見えてきますね。 〈速く速く〉〈遠く遠く〉というリフレイン。 フランダースの犬、では、ネロが死んでいくわけですが・・・このお話しの中では、パトラッシュがネロに自らの身を投げ出そうとする。舌を噛み切るのは、君、と呼びかけられるパトラッシュではなく、君、と呼びかける、飢えに支配された語り手、なのでしょうか・・・。 君と彼、という対応が、少し気になりました。君と僕、ではなくて?
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