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ターミナル
全然座れない新幹線、って季語にならない? いいじゃん、余らせていこうよ、字くらい。 もっとでっかいのを持て余してるんだし。 ほら、見て。 仙人になれるんじゃない、って そんなかたちをした おひるねとか、 駅弁とか、 マガジンとか、 ずっとまつげの先にちらついてる。 三大欲求とか名乗って あいつらいつもバタバタしてるけどさ、 たまには見守ってやりたいときだってあるんでしょ、 瞼にすがりつくような生き方を。 さいかいを誤らない出会い。 101で眠るだけのものでいっぱいなのは紙袋。 無印のそれを選んだのは せいいっぱいのおしゃれでした。 いつまでも取り繕うのが苦手だけど 今日もパジャマみたいだねって もう笑わないよね。 コンコースの流れにありつづけられたら。 ほどほどのいなかはよそ者が嫌いだから、 すべての人は他人のように歩いている。 まつげの向こうを見ろ。 改札さえ、引き留めてはくれない。
ターミナル ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1391.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 12
作成日時 2019-12-27
コメント日時 2019-12-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 12 | 12 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 4 | 4 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 12 | 12 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
すごく技巧的だと思いました。新幹線と季語の話から切り出して、最初はよくわからないのですが、直後の「ほら、見て。」で、今ここが新幹線の中なのだとわかる、その説明の省略によって想像力が刺激され、映像的というか、文章の中の世界に没入する感覚がありました。語り手との距離がどんどん近づいていき、そして最終的には主張にぶつかってしまう、キャラが立っていて面白いです。少し個性的な方のようで、ときどき言っていることがよくわかりませんでしたが、「すべての人は他人のように」というほとんど何もしてないはずの比喩などは面白いし表現として興味深いです。
0先月の「20th Sampling Syndrome」は個人賞に選んだぐらいだから秀作だと思っていて、それと比べるといくらか見劣りしてしまうが、それでも佳作の域に達している作品だと思う 繁忙期の新幹線という舞台がほかに見たことないし、「まつげ」や「無印の紙袋」といった小道具の使い方が妙
0いすきさま、はじめまして。 コメントありがとうございます。 まずはお褒めの言葉をいただいたことに感謝申し上げます。 >その説明の省略によって想像力が刺激され、映像的というか、文章の中の世界に没入する感覚がありました。 これは私がこの作品において「評価されたらいいな」と強く思っていた部分でしたので、そのようなお言葉をいただけて大変嬉しく思います。 ただ、 >ときどき言っていることがよくわかりませんでしたが、 このような感覚をいすきさまに与えてしまったことがまだまだ情報開示の加減がうまくいっていないことの象徴だと感じました。 励みになる感想をありがとうございました。 参考にさせていただきます。
0渡辺八畳さま、コメントありがとうございます。 佳作との評価、大変嬉しく思います。 また、前作を個人賞に選んで頂きありがとうございました。詩作を始めて数年、ずっと世間の目に晒すことなく書いて参りましたが、他者から批評を受けることが喜ばしいことだと知ることができました。ここへ参画してよかったと感じています。 さて、詩を書くにあたってモチーフである事象の質というのは非常に大きなウェイトを占めることとは思いますが、20th sampling syndromeから始まったこの事象での制作は本作が最後でした。お褒めいただいた理由がモチーフの質によるものだけだったと評価されないよう、これから精進します。 励みになる感想をありがとうございました。
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