別枠表示
東京
都営アパートの順応性、 交わる老夫婦。 丸い形が冗談みたいな叔父さん。 せせら笑ってジョークを飛ばす ひょうきんさは、 何も考えてないのが見え透いている。 日々はしりとりと同じで、 濁点打たれて修正音。 東京タワーで手を繋ぐふたり、 レミングス。 全ては鳩が仕掛けたことだ。 種から直接実がなるような、 実体のない叔父さん。 現代美術館でバスケットを開いたら、 きゅうりとハムとマヨネーズが花開く。 ヴァイオリンの音色、 拍手を送る花壇。 叔父さんが携える手帳には びっしりとチューリングパターン、 メラニズムの豹が遠巻きに、 角笛の持ち主を狙っている。 束の間に放たれた、 矢の代わりにケーキが降ってきたら 白昼夢も少しは楽しくなるのに。 偶奇的に鳴く蛙に 季節は憚られ、 風は弧を描く。 漫画みたいな重力表現。 高層ビル群。 新橋で飲む浅黒さに、 勝鬨で降りるスーツ姿。 『あれが高所得者の住む街だよ。』 ふたり指差した深夜の東京。 霜が降りた山手線の内側が眩しくて、 この街に来て良かったと思う。 空想が出口を探すように、 ミートソースがパスタに絡むように、 積年の思いを込めた恋文のように、 長く、 密に、 派手に、 残酷に、 夜の夢がはじまる。
東京 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1368.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2019-12-09
コメント日時 2019-12-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 1 | 1 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
所々にちりばめられている比喩表現が好きです。パスタと恋文が比喩の材料として同等のものとして扱われていて面白いなあと思いました。
0>日々はしりとりと同じで、 >濁点打たれて修正音。 の比喩表現にやや違和感を覚えます。しりとりの本質は濁点でも修正音でもないのに、なぜしりとりに接続されたのか分かりにくい気がします。 全体的に粗雑に単語がプットされた印象で、本質的なテーマへの橋渡しが出来ていないように見受けられます。根本的なテーマが何処にあって、その為にどの様な比喩を用いるのか、を改められるといいのかな、と個人的には感じるところでした。
0