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桜ヶ丘
二人が過ごしたのは 四畳半の風呂無しで 窓から見えてたのは 白い隣の家の壁 授業が終わる頃に 二人は待ち合わせ 桜の並木道を 狭い部屋へと帰っていく 夕焼け染まる頃は 裏の小さな商店街も 家路を急ぐ人で にわかに活気づく 二人は畳の上で 並んで座っている 机の上に二つの コーヒーカップと灰皿と 風呂屋の帰り道の 路地裏は暗く 二つの足音だけが 夜空へ響いていく やがて夜が更けて 辺りが眠る頃 二人は布団の中で 優しく寄り添った 夢と希望と愛しさが そこに溢れてた 夜が明けるその前に 何にも消えるなと そして季節は過ぎて 二人は続いていく やがてまた春になり 桜は芽吹きだす 全ては日常になり 何かを見失う 気付けば まだ間に合う だけど何にも見ちゃいなかった 淡すぎた日々の温もりが 胸を締め付ける 桜が舞い散るその後で 二人も散っていた それから時は流れて すべては一昔 今では二人のことを 知る人もいない だけども桜並木は 春には咲き誇り 別の若い二人を 見守っているだろう ありがとうという言葉だけ 言わせておくれ 何時か訪ねるその日には 晴れてくれたなら 今でも胸の奥で 静かに舞い落ちる 二人が過ごしたのは そんな桜の見える街
桜ヶ丘 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1294.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 4
作成日時 2019-11-17
コメント日時 2019-11-18
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
何か懐かしいフォークソングの歌詞を思う世界観ですね。 >それから時は流れて すべては一昔 省ける部分もあるかなぁ、と感じました。歌で聴いてみたいですね。
0帆場蔵人様 コメントありがとうございます。 この作品は私自身の若かりし頃の思い出をそのままスケッチして作ったものです。 もう三十年くらい前の事を思い出しながらギターを弾きながら書いたのでフォークソング的なものになったと思います。 youtubeで音源を公開しておりますので良かったら聴いてみて下さい。 https://www.youtube.com/channel/UCTX8mKzvJ8ljAhTEcb931WQ
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