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暴力とその作用
顔を踏みつけたら花束になりやがったからさ、そ のまま地面を引きずったんだよ。血痕の代わりに 色とりどりな花びらがアスファルトの隙間にめり 込んでいき、「俺の後ろに道はできる」ってか。 口とか耳とかも残さず切り花になったし、頭の形 にカットされてるとか目だけ色違いの花になって るとかもないほんとにただの花束だから、まあ芳 香がすごいのなんの。首下に残った体にはもう力 が一切入ってなくて、たぶん経緯を知らない人が 見たら死体だよね。でもこいつは顔を踏まれただ けでまだ人間だし、手を握ればそっからこいつの 思っていることがわかるような気がするから、ま だ乱暴にしてもいいんだけどさ。でもよ、腹を殴 ってそこも花束に、尻を殴ってそこも花束に、全 身を殴って花束だらけになったらと考えだしたら もう続けられなくて。俺、はじめてこいつを怖い と思ったよ。
暴力とその作用 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2473.6
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 18
作成日時 2019-11-13
コメント日時 2019-11-21
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 2 |
前衛性 | 3 | 1 |
可読性 | 3 | 2 |
エンタメ | 5 | 3 |
技巧 | 3 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 0 |
総合ポイント | 18 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.6 | 1 |
前衛性 | 0.6 | 0 |
可読性 | 0.6 | 0 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0.6 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.2 | 0 |
総合 | 3.6 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
60年代末に 新宿フーテン族たちを ドキュメントした映画で 朴訥さをタバコと酒で塗りつぶした 冷笑と微笑みの使い分けがまだできない 田舎出の若い男の マイクにのせた声 ─── あるゼロメートル地区の 土曜の駅前 喫煙所の枠外にはみだして 車座にストゼロとタバコでキメる 地元のニーチャンたちに ヤバいセンパイっている? と声かけたら 「ツトムさんヤバいよね〜 すぐ殴るし殺しかけるし」 「マジでツトムさんこないだ殴ったら そいつのアタマ花束になったとか わけわからんこと言ってヤバすぎる」─── このふたつの詩景が マルチウィンドウで表示されました。
0>でもこいつは顔を踏まれただけでまだ人間だし〜俺、はじめてこいつを怖い と思ったよ。 「その作用」は怖いと思うに至るイメージ。ではなく、最後までしっかりやれよ、花束が見たい見たいと俺がこの作品を読んでまず思ったこと、←この感じ。 匂いまで取り入れてくれてありがと。それが無いとね。あ、で、どんな匂いなの?
0鈴木夜道さん この詩、実は渡辺マホトというYouTuberが恋人を殴って逮捕された時に書いたものなんですよ YouTuberなんてだいたいが半グレでしょうし、そういう意味では鈴木さんとの連想とも繋がりは出てくるかもしれませんね。
0/舜舜さん 暴力と美しいものは実は結構相性いいんですよ
0前半は好きです。後半は私のような素人には少しわかりづらいです。プロ好みの詩というのかな。
0ライ麦さん 前半っては「でもこいつは〜」より前の箇所ですかね 私の詩に限って言えば、描写されている映像をそのままに見てもらえればいいです 詩人というより映像作家なんですよね
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