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赤
あれは、三階東側女子トイレ (私、すごく、嫌なんだ) 六年二組の加代ちゃんは、 (だってさ、生まれるかもしれない、命の塊なんだよ) 私のスカートの裾をぎゅっと握って、ポロッと涙を流すけど (それがさ、沢山、たくさん、) わたしね、加代ちゃんのこと、 (流れていくの、しかも、毎月、) 理解、できないの (女として、生きていくのってさあ、なんでこんなに…) "誰かをうとましく思ってはいけません" お母さんの口癖 分かっています、お母さん でもね、 お母さん、 私にはその時、初潮がきていなかった ねぇ (私ね、すごく、嫌なんだ) 加代ちゃん、なぜ泣くの? (だってさ、生まれるかもしれない、命の塊なんだよ) そんなの、とても素敵なことじゃない (それがさ、) いつか好きな人ができたらね、 (沢山、たくさん、) 告白をして結ばれて、手を繋いで、口づけをして、 (流れていくの、) 夜の闇にまぎれて、二人は身体を重ねて、 (しかも、毎月、) 獣のような彼は、私の乳房を吸って、それはまるで、彼の母親になったようで、 (女として、生きていくのって…) そして、わたしは思うでしょう、女として生きていくのって、 (女として、生きていくのってさあ、なんでこんなに…) なんでこんなに、素晴らしいんでしょう、と ねえ、加代ちゃん あの時あなたに感じたのは、うとましさと嫌悪だった でも、いまは違うの ねえ、加代ちゃん お母さんのことが大好きな加代ちゃん あなたのお母さんも、してきたことなのよ 女はみんな、抱えてきたことなのよ 加代ちゃん? あなたと離れて久しいけれど、 あなたのことはよく思い出すの きっとこれからも、何度でも思い出すでしょうね 知らない男の舌を迎え入れ、狂ったように突かれながら 沢山の赤ちゃんの、寝顔を見ながら
赤 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1147.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 11
作成日時 2019-10-23
コメント日時 2019-10-23
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 2 | 0 |
可読性 | 2 | 0 |
エンタメ | 2 | 0 |
技巧 | 3 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 0 |
総合ポイント | 11 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合 | 11 | 11 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文