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tokyo syndrome
過密な人口、糞と善意と排気と不義理と汗と不条理と涙と利己主義と剥き出しの欲と、そして、微かな理性の混じった悪臭、もしここで男一匹吠えたとしても皆iPhoneや、広告や、帰路や、恋人や、終電から目を逸らすことはないだろう。我々は余りにも違う上で似通っているから。知らない何百万のこれらのバラバラの生命はまるで意思を持った雪崩のように私の舵の進路さえ奪おうとしている。少なくともそんな錯覚を覚えるほどに無機で無礼で駆け足だった。自分の孤独がこれ程鮮明に凍える夜も珍しい。ただ存在しているだけで凡ゆる私の中の臓腑は軋み、捻れ、膿み、結果この喧騒に溺れている。これだけ人がいるのに誰も私の行くべき場所を知らないし、勿論教えてもくれない。ただ黙々と皆円い時間を運んでいるだけに観えた。そして其処に私は溶けていくべきなのか、或いは、このままじっと動かず信号に沿って時計になるべきなのか、まるで解らなかった。それらの余りの速度に、紙でも食ったみたいに思考は遅れ、一つ一つの聴覚や視覚、触覚といった私の感覚も離れ離れになって私自身が空っぽの寂れた通りにでもなったかのような不可思議な憂鬱にうな垂れるしかなかった。この街に居るのは最早私だけ。あとは全て鉛筆か、或いは、それの削りカスで、もしこれらの事柄に私が真面目に善処しなければ廃棄されるのであれば私にはアルコールと踏み切りと音の無い崖が必要でこの戯けから発した暗闇から致死量の痙攣をせめて楽譜に起こせる位の混乱と恐怖を瞼の内に潜めナイフないしは電線で距離を交わさなければ決して交わらなかっであろう迷走する愛と逃避。それだけが私の救済に預かる。たったそれだけが。キリストのように、或いは、終末のように。
tokyo syndrome ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1912.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 110
作成日時 2019-10-21
コメント日時 2019-11-01
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 14 | 14 |
前衛性 | 14 | 13 |
可読性 | 19 | 19 |
エンタメ | 14 | 14 |
技巧 | 17 | 17 |
音韻 | 16 | 16 |
構成 | 16 | 16 |
総合ポイント | 110 | 109 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 4.7 | 5 |
前衛性 | 4.7 | 6 |
可読性 | 6.3 | 8 |
エンタメ | 4.7 | 6 |
技巧 | 5.7 | 7 |
音韻 | 5.3 | 7 |
構成 | 5.3 | 7 |
総合 | 36.7 | 51 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
どうも、enokizさんのファンです。 私はこの詩からハードコアパンクの勢いを感じてます。 enokizさんに思う所があるのですが もしここ以外での創作物が見れるなら私はそこにも触れたいのですが もし宜しかったら教えていただけないでしょうか? もっと読みたいです。
0下手な詩にありがとうございます。ここ以外に書いているところはないです。
0緊密でソリッドな質感、ビート、リズム、文体。これはヤバい。 (ツボにはまった作品って大抵いつも感想が言葉にならない)
0survofさん批評ありがとうございます。僕の詩は基本的に意味がない上に空っぽなので直ぐに飽きますよ笑
0東京シンドロームですか。読み応えがあると思いました。列挙が魅力的な詩だと思いました。
0エイクピアさん、そうですねただ羅列するのが好きなだけなのかもですね笑
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