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密告
柱時計が ごん と鳴る 夜はあまりに 眩しくて 分類の無い あの子なら きっと窓辺で 手をのばす "知らなくて良い事ならば 軽やかに捨てて飛ばすまで" 向日葵は 密告などは好まない "アノコノシリエヌコトナドヲ" "タクサンカカエテオクガヨイ" 野を走る手を 引いたのを 向日葵は隠し 影落とす 刻み込まれた 感電は あの子の好きな 色をして 渇いた目が 与えたことは 筒としての 快楽のこと "アノコハイマモユメノナカ" "ヌルイオンドヲモテアマス" 柱時計が ごん と鳴る 夜はあまりに 香しく 交換し合う 塊は 首筋の甘い 二匹の生き物
密告 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1960.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 19
作成日時 2019-10-15
コメント日時 2019-10-20
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 5 | 5 |
音韻 | 4 | 4 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 19 | 19 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0.3 | 0 |
可読性 | 0.5 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.3 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0.8 | 1 |
総合 | 4.8 | 5.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なんとも甘く艶やかで、言い方は古いですが逢瀬とか言いたくなりますね。分類?は分別の誤字でしょうか。 柱時計や向日葵が無駄なく組み込まれていて味わいを深めていると感じました。密告というタイトルも詩の秘めやかさを深めていますね。 きっと互いに隠し事を誰もがしている。それは当たり前なんだけど、少し後ろ暗い気持ちが滲む。そんなことを思いました。
0自我が欲しいと思いました。どうもあの子という登場人物がいて、向日葵があって、柱時計があって、と状況は分かるのですが、結局何の感情が交差しているのかが不明瞭でした。 無感情を貫いた作品と考えても、それが本作にとって極めて重要であるというクリティカルな衝撃も感じられなかったので、やはりせめて主人公の自我が欲しいなと感じます。喜怒哀楽のどの方向の作品なのか分からないので、結局何を表現したかったんだろう……という感想に終着してしまうのが勿体ないように感じました。
0この作品での自我は二連から始まる" "のなかの言葉ではないのだろうか。二人の周囲にある向日葵を通して語らせることで、自我を薄めつつ想像の余地を残しているのではないでしょうか。強い衝動は確かにないかもしれないが、秘めやかな空気と最初のコメで書いたような後ろ暗さが滲みでているように思う。 ただ時とともに絡み合う二匹の生き物、としての人間、ただただそのような時間がある。 付け足すなら最終連にもうまく向日葵を絡ませていれば、全体を通して一本、筋が通ったのかと思う。時計や向日葵が配置されただけで繋がりきらなかった所がふじりゅうさんの何が表現したかったんだろうに行き着く原因かもしれないですね。
0帆場蔵人 様 ふじりゅう 様 沙一 様 感想を頂き有り難うございます。とても嬉しいです。 今回、「静寂」「自意識の曖昧さ」「背徳感」「ほの暗さ」というキーワードを設定し、この詩を書きました。自身の意思決定によるものであるはずの行為や、自身の感情と言うものが、夜の闇の中で自身から切り離され、曖昧になる瞬間。秘め事の甘さ、悦び、そしてその後ろ暗さと、無意識に切り離された他者に託される自我。昼でもあり夜でもある、時間が流れているようで流れていない、そんなどこか夢の中のような、空白の多い詩を書きたいなと思いました。 ただ、ふじりゅうさんの仰るようにどこか掴みにくく分かりにくい表現になっていたかと思います。意図した内容を効果的に伝えられるよう心がけ、言葉も効果的に配置出来るよう気を付けたいと思います。
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