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犬死にしたくない
冷凍の魚の眼 あらゆる瞳は神の灯火のように美しい 動物が仲間はどこにいるのかと鳴いている どこかに調べた記憶があり 粉砕された固体が元通りになればいい 何も知らないでいた日々 愛そうとして確かめた薄い皮膚がある 星を忘れない 何を残そうとして生きているのだ 戦争の記憶 思って平等を得られるのか 積み重なった愚かさに 強く主張する 美しい人生を持ちたい 戦争の記憶 まやかしも何もかも受け入れて でも僕も満足だ 川の石と流れのように 心が口を突く言葉と和解したのだ ああ全体が打ち上げられた花火のような空だなあ 虚空の中で夢を見て 混濁した意識の中で何かを呼び続ける 墨で塗れない答えを持つものよ 僕の持つつながりは僕自身が望んだことだ
犬死にしたくない ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2207.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 13
作成日時 2019-10-13
コメント日時 2019-11-27
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 0 |
前衛性 | 4 | 0 |
可読性 | 2 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 0 |
音韻 | 1 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 13 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1.3 | 1 |
可読性 | 0.7 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0.3 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 4.3 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
おはようございます。 この作品を書いてくださって、有難うございます。 わたしにとって、この作品は 私のために書かれたものにしか思えないのです。 はじめて この詩を読んだとき、この詩を書き写したいという衝動にかられました。 滋味深い食べ物を 良く噛んで食べるように、私に必要な薬効が この詩にはあるのです。 まず、わたしは まず6Bの鉛筆で 【冷凍の魚の眼 【あらゆる瞳は神の灯火のように美しい と、書いてみました。沁みます。力を入れずとも濃く太い文字になる6Bの詩句。 すべての方に この文字の薬効が働くとは思いません。わたしの母は目に病があるため、 実際に冷凍の魚や 煮魚のような目の色をしているので、私には特別の効き目がありました。この2行に出会えたことを、私は私の心に刻みます。 【戦争の記憶 】は、私自身も逃げずにテーマにして 考えたい事柄です。カオスとの対話は 骨が折れる作業です。なにしろ骨を消失するような事実との対話ですから。6Bで書いていると 鉛筆の芯も折れました。 けれど、そのあとに なだらかに続く詩句の 素晴らしさは いったいなんなんだろう。 【ああ全体が打ち上げられた花火のような空だなあ 年末に大合唱される第九のように、スゴイです。すごいです。ほんと、すごい。どっかーんです。ありがとうございました。また、書き写します。(深礼)
0るるりらさんこんばんは。 コメントありがとうございます。 色々と思ってもらえたようで、とても嬉しいです。 僕は詩でインスピレーションを重視しています。 詩を書く時間は、夢と同じような状態です。 眠って夢を見ている時間は、夢想から発して、現実を志向する。 詩を書く時間は、現実から発して、夢想を志向する。 夢の中では、色んな事が実現される。詩作においては、夢のような時間を、インスピレーションで 現実とつなげる。 そういう風に、僕は詩作で、夢と現実のそれぞれが欠いているところを、補うのを、主要な時間としています。 >カオスとの対話は 骨が折れる作業です そうですよね。骨が折れるというのは、何らかの意味があるということだと思います。 嫌ならやめればいいのでしょうが、カオスに立ち向かうことにある種の実現を、感じるものなのかも しれません。夢やら現実やら、なにをするべきかということについて、犬死にするということを、 承諾しないということにおいて、大事にすべきものが自分にはあると思いました。 突撃命令で死んだ人について、「あんなのは犬死にですよ」と言ったのは、レイテ戦の兵士の言葉です。 ある人は、担架で搬送されて行くときに、戦車でひき殺してくれと言ったそうです。自分で死ぬに死ねない、弾一発なくて。「首吊って死ねというんですか」という言葉が、非常に響きます。 僕にはまともな感覚もなく、なかなか人間的な意識の想像、苦しみや悲しみや、怒りというものが、 あるということを、兵士の言葉を聞くまで、思いつくことはできませんでした。 そういうものを、現実として考えようとすることは、大事なことだと思いました。 逆に犬死にでないならば、それは意味のある死だろうと思いました。 冷凍の魚の眼が、そういうことを訴えているように見えます。
0言葉は柔らかいのに、グサッときました(傷ついたとかではないです)。 詩を読んで鳥肌がたつことはよくあるけど、泣いたのは初めてです。
0ころねさん コメントありがとうございます。ころねさんの何かを動かせたようで、書いてとても良かったです。 次も頑張ろうと思いました。
0保存された「輝」 死して尚放つ光、無常なる虚空。 死への造詣が深く、生者と死者(亡者) 両方の『眼』で見ようと努めている様を感じる。 > 愛そうとして確かめた薄い皮膚がある こことても好きです。レトリックとしてとても美しい。 愛の手触りであると同時に、調理過程の俎上で、血のなみだを流す命への眼差しとも受け取れる。 忘れじの星に深く累積する「死」と繋がれていく遺伝子を感じる。 戦争(たたかい)は残されてた者の記憶と 空へと旅立った者達の足跡なのでしょうか…。
0戦争の記憶とは、日本人で言えば太平洋戦争でしょうか。人類の戦争の記憶を考えると、確かに冷凍の魚の眼は印象的なフレーズです。
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