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宇宙開闢以前の《世界》は《存在》する
――例へば此の世に幽霊が存在し得るのであれば、其処は「現存在」の背である筈だ! ――それは何故かね? ――何故って、それは、唯一、此の世で「現存在」が裸眼で直接見られぬ処だからさ。 ――此の宇宙開闢以前の《世界》もまたどう足掻いても見えぬぜ。 ――へっ、つまり、端的に言へば、背中が、若しくは後ろの正面が《存在》するといふ事は、宇宙開闢以前にも《世界》が《存在》していた証拠になるのさ。其処は幽霊の、つまり、数多の《死者》の怨嗟に満ち溢れてゐた《世界》だ、ちぇっ。 ――しかし、触覚の感触だけは背中にもあるぜ。つまり、「現存在」は背中の《存在》を端から《認識》してゐる。また、《他》には《吾》の背ははっきりと見える。 ――だから、どうしたといふのかね? しかし、《他》は《吾》の内部は見えやしない。つまり、それは、尚更、宇宙開闢以前の《世界》は、《吾》が背中の《存在》を《認識》してゐるのであれば、必ずあるといふ事さ。 其処で、ゆるりと陽炎が揺らめき、《吾》の影が嗤ったのだ。「ふっふっふっ」と。
宇宙開闢以前の《世界》は《存在》する ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1302.2
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ポイント数 : 1
作成日時 2019-10-13
コメント日時 2019-10-13
項目 | 全期間(2024/12/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全く意味が分からぬが、好きか嫌いか、と問われれば、好きな部類だ、ちぇっ。 たとえば空間や時間が無限に分割可能なんかではなく、最小単位が必ずあるのだ、と云うような、そんなことならばそれは背理的排他背理法を対角線論法的に組み込むことであるいは証明できるのかもしれないが、しかし君、宇宙の無限性と無数のドッペルゲンガーについては、それはもはや数学が惑わす形而上学的夢幻であって、裏返した缶詰に全宇宙が詰め込まれたとでもいった戯言に過ぎないのかもしれないのだぜ。
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