終末医療 - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

終末医療    

切れかかってる電線に 荒地に咲いた たった一つの赤い花 グレーにくすんだ曇り空 視界に映るものはこれだけ 果物畑も何も無い テレビに映るはずっと同じで 1つしかないローカルチャンネル 僕の世界は寂れた田舎 住人1人、旅行者ゼロ人 1日1度の訪問販売 声を出すのはその時だけだ 抜け出したくても抜け出せない 田舎暮らしは寂しいものだ そんな日々がしばらく続いて 真っ赤な花はとっくに枯れた テレビはずっとついたまま そしたらある日唐突に 大きなサイレン鳴り出して 人がいくらかやってきた 僕の世界にこんなに人が やってきたのは初めてで なんだか嬉しくなりました 中には2人、見覚えある顔 父さん母さん久しぶり そう言おうとして口を動かし ヒューヒューとだけ音がする なんだか眠たくなってきた 今はこんなに幸せだから もうちょっとだけ起きてたい あれあれ、意識が遠のいて みんなの顔が悲しそう 「また明日」とだけ口を動かし 空気の抜ける音がして 何故かみんなは泣き顔で 明日もあるのに何故泣くの これまで全く来なかったのに でもありがとう、やっと出会えて 僕はとっても幸せだ 僕はようやく眠りについて テレビの音がようやく途切れて 僕の世界は終わりを告げる


終末医療 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 1
P V 数 : 1315.0
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 579

作成日時 2019-10-06
コメント日時 2019-10-08
#テキスト #アドバイス募集
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性8484
前衛性4848
可読性163163
エンタメ6767
技巧5555
音韻9494
構成6868
総合ポイント579579
 平均値  中央値 
叙情性2830
前衛性1621
可読性54.344
 エンタメ22.315
技巧18.318
音韻31.333
構成22.723
総合193180
閲覧指数:1315.0
2025/04/11 04時21分06秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

終末医療 コメントセクション

コメント数(1)
左部右人
(2019-10-08)

いくつもの読みが出来る作品ですね。そう言った意味で可読性のある作品だなと思いました。 「終末医療」というタイトル、一連目の「切れかかった電線」~最終連の「終わりを告げる」まで親和性の高い語句を用いて詩を紡いでいることが強度の高さに繋がっているように感じます。 受け身な「僕」が「寂れた田舎」に敗北する作品と読め、詩の主体である「僕」がただただ感傷的に自分が敗北(=死=自死?)するのを待っているだけでなんだか情けない「僕」だなという感想です。受動的な人間(=本作においては、不平不満を抱きながらも行動を起こせず緩やかに満足に死んでいく人間)を批判する作品としても読めると思いました。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2