静かなる地獄 - B-REVIEW
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静かなる地獄    

苦しみは声にならない 狂ってるのか 正気なのか どうやったら分かるのか 死んでくれたらいいのに 心底願う 愛なのか憎しみなのか この感情をどう処理していいのか 愛だと認めたら裂けてしまう そうじゃないと自覚したら消えてしまう どちらにしても助かるすべはなく。 息をしても大丈夫なくらいに時間が過ぎても、囚われた思考に支配されて、あとひと押しで薄くなった感情が砕けそうだ 過去は都合良く設定されてしまう 痛みを感じないように 真実が知りたいのに、誰も知りはしない そんなものは1000通りもあるのだから。 選ぶのはあなただと言われても 自分自身を失った私が何を軸にして選択できようか。 顔色を伺い怒らせないように、気に入られるように、愛されて必要とされるように 決して捨てられたりしないように 怖い怖いと思いながらも 帰りたい帰りたい 行かないで行かないでと懇願する 愛してくれ愛してくれと叶わない期待を捨てられない 惨めでたまらないのに また抱きしめられても決して信じることは出来ないのに。 ゆっくり息を吐いて、そっとそっと息を吸って 独りでいる それが正しいと分かっていても あまりにも長い一日 あまりにも長い命


静かなる地獄 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1346.9
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 22

作成日時 2019-10-04
コメント日時 2019-10-05
#テキスト
項目全期間(2025/04/11現在)投稿後10日間
叙情性1010
前衛性10
可読性77
エンタメ33
技巧00
音韻00
構成11
総合ポイント2221
 平均値  中央値 
叙情性2.51
前衛性0.30
可読性1.81
 エンタメ0.80.5
技巧00
音韻00
構成0.30
総合5.54
閲覧指数:1346.9
2025/04/11 04時32分27秒現在
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    作品に書かれた推薦文

静かなる地獄 コメントセクション

コメント数(4)
yasu.na
(2019-10-05)

 話者は、自身が抱いてしまった愛のことで苦しんでいます。  私は、その苦しみを書いた作中で、特に、下に引用する箇所を好ましく感じました。すなわち、 >真実が知りたいのに、誰も知りはしない >そんなものは1000通りもあるのだから。 >選ぶのはあなただと言われても >自分自身を失った私が何を軸にして選択できようか。  という箇所です。  ここは、愛に苦しむ者が抱く思いにとどまらない、もっと広い、人間が一般に抱く悩みをあらわしているように思いました。  このようなストレートに進行するような作品は、どう結末を作るか難しいと思いますが、最後の五行は良いのではないかと思いました。

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なつ
なつ
(2019-10-05)

南雲 安晴さん ありがとうございます! 人は自身を通して物事を捉えます フィルターがあり、真実はそれぞれが選んでいる 近しい人と同じ時間を過ごしていても同じ記憶ではなく、同じ物語ではない 他人のフィルター越しに見た真実はまた違うもの それを面白がって尊重していくのがいいのに、他人に自分の真実こそが正義だと突きつけられていくと、受け入れ過ぎてしまうと、それがずっと続いていくと、人は自身が分からなくなってしまう 見失っていく心細さや不安を、自分で何とか受け止めようと、もがく姿を苦しみも含めて表現したかったです

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survof
(2019-10-05)

するすると連続的に繋がる言葉がまるで素麺を食べる時みたいな感じで次々と入っては飲み込まれていく感覚はとても心地よい。が、一方でめんつゆなしで素麺を食べているような感じがあることも否定できず。唯一の味付けがタイトルの「静かなる地獄」で、まさにこの味のない感覚こそが苦しみなんだ、どんなに重たい感情さえも無機質に扱われて流されていくのだ、人生とは伸びきったつゆなし素麺の喉越しなんだ、という無常観、虚無感の表明とも取れるが、結果としてこの作品の素麺感が生まれてしまったのか、それとも自覚的に素麺にしたのか、読者としては判断材料が少なく微妙なところである。もし自覚的に素麺にしたのであれば、タイトルにももっと素麺感が欲しかったりなどするが(「地獄」などということばは素麺にメンチカツが入っているようなものである)、たとえば、大きな画面でみたときに、無機質に直線がズラーズラーと並んでいる感じはまさしく素麺であるのでやはり自覚的に素麺にしたのではないか、と、この素麺感に対してはちょっと好意的な気持ちを持っている。が、やはり若干麺が伸びているので、茹でたあとは一回きちんと冷水でピシッと締めてもらいたい、というのが正直なところである。

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なつ
なつ
(2019-10-05)

aurvofさん ありがとうございます この詩は、そうですね、つゆなし素麺かもしれません。 もがき苦しむ事に終わりが見えないことはやはり地獄のようだと思います。 静かに続く地獄の中にいるようだと。

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