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箱の中、観測されずに飼い殺された猫の顛末。
不幸という名の箱から出る。 それは如何に勇気の要ることか。 決められた運命の軌道を壊す。 それは如何に美しく切ないことか。 もう、 は居ない。 は死んだんだ。 安心を求めて不幸から出られない。 そんな馬鹿が嫌いだった。 何よりも馬鹿よりも馬鹿な自分が嫌いだった。 どうか にさよならを。
箱の中、観測されずに飼い殺された猫の顛末。 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1471.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 11
作成日時 2019-09-27
コメント日時 2019-09-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 11 | 11 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1.5 | 1.5 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 1.5 | 1.5 |
総合 | 5.5 | 5.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは、はじめまして。 前作の『「頑張れ」という刃』とは異なり、本作はテキストと画像の詩文が別々なのですね。前作では、テキストで読んだ内容をあらたに「毎」の一部として認識し直すという行程で詩文のもつ意味が増幅されていくようでした。 一方、本作ではビーレビの表示形式上、暗い内容であるテキスト部分の落ちとして「生きろ」と呼びかけているようにも見えます。 モチーフになっているであろうシュレディンガーの猫を踏まえると、箱に囚われた作中人物は他者によって観測されるまで生の状態と死の状態の両方が重なった概念として存在していることになります。非常に簡易的な解釈としては「生きているのか死んでいるのかわからない」と言えるかとも思いますが、それはまさに退廃的で無価値な生活を表現する際によく使われる言葉です。 不幸な現状の中でずるずると存在している作中人物が、 >決められた運命の軌道を壊す ことで、他者に観測され、生死不明の状態を一方に収束させようとしている。それが「生」に収束すればよい、という激励の意味での「生きろ」なのかと読みました。とすると、空白部分には『「死んでいる(ような)状態」の私』が当てはまるのかな、と思ってみたりみなかったり。 盛大に読み違えていたら申し訳ないです。 「生きろ」に限らず、人に何かを強く促す言葉はハイコンテクストである場合が多いかと思いますが、この作品は画像という性質を生かしてそれをうまく表現できていると感じました。「生」を構成する詩文は特に良いと感じました。
0水上 耀様 コメントありがとうございます。 前回とは異なり、画像の意味が少しだけわかるようになる「かもしれない」文章をつけてみました。とはいっても、今回の作品には空白が多く個人の解釈に任せる形にしています。箱が何を示すのかを考えるのがキーになるとは思うのですが、もう私も答えを忘れてしまったので覚えていないのです。この画像の文章が何を示すのか?それは、一人一人の観測次第で変わるのかもしれません。もちろん自分自身も。
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