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夜に触れる
頑張ろうとして踠いても 動けば動くほど夜に沈んでいく 誤魔化そうとしても誤魔化せない 表裏一体の私の顔は 言い表せない葛藤と 私の大好きなあの子と共に 手の届かない暗闇の中に落とされてしまった 自分で自分に値段をつけて 手を引かれるがままに繁華街に足を踏み出す それでもいいと思ってたのに セーラー服に腕を通す 破瓜の生娘と分かり合える世界にならないか とも思っている 素晴らしく滑稽で素敵なあの子の身体は 貞操観念と共に16歳の夜に散ってしまった 頭の中を突散らかして 部屋の中も突散らかした私の目には 砕け散ったあの子の尊い命しか映っていなかった 淡水魚の水槽に塩を入れて掻き混ぜます 可愛い子の顔に針を刺して遊びます 将来有望な若者に余命を告げて楽しみます 私に恋したあの子の愛し方は間違っていた事を告げるのを忘れていました 考えるのを辞めて足を止めたあの人は 翌日に人生を退職してしまった 多額の退職金を貰ってまで辞めた人生という会社は果たしてそんなに悪いものだったのでしょうか 息の出来ない世界で今日も生きていく 陸に打ち上げられた魚のように 滑稽だと思われながらも 必死で命を繋ごうとする 手を差し伸べられたりもしたけど 私には少々あつすぎたみたいです 鳥になりたいといっていたあの子は 大空に羽ばたいて私の見えないところに行ってしまいました 私もあの子に追いつきたいので 明日の朝四丁目のビルから あの子を探しに出発しようと思います
夜に触れる ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1533.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 8
作成日時 2019-09-27
コメント日時 2019-09-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 8 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0.5 | 0.5 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
寂しくなって、心が痛いほどです(;_;) 「手を差し伸べられたりもしたけど 私には少々あつすぎたみたいです」 というところが印象に残りました。 主人公の心がとても冷えきっているのを感じました。
0淡々と人生観察から来る諦念、ため息のようなものが描かれていると感じました。だが悲しげなのにそこに悲壮感や自己憐憫がない。なぜか。それはおそらく物理法則のようなものに従っているからではないでしょうか。話者は冷たげですが、誰かに何かを無理強いしている気配がない。自分自身が地面に落下していくように周りの人間、出来事も地面に落下していく。全てが自然で殺伐としていようとも無理がない。そんな印象を受けました。僕の好きなタイプの作品の一つです。
0コメントありがとうございます(;_;) 初投稿なので拙い文章ですが読んでいただけて嬉しいです!
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